民法(債権法)改正の解説38 民法155条、156条、157条の削除

民法改正により、改正前の民法155条、156条、157条が削除されています。

そして、これら条文は削除されたままで新しい条文は設けられず、空白の状態になっています。

民法155条について

改正前の民法155条は、以下の条文でした。

差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

この155条は、改正後の154条に受け継がれています。空白.jpg
改正後の154条は、「第148条第1項各号または第149条各号に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、第148条又は第149条の規定による時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。」という規定になっています。
多少表現が変わっていますが、内容的な変更はほぼありません。
強制執行や仮処分等の手続をしていない当事者との間での時効の完成猶予・更新の効力について規定されています。
この条文の具体的意味については、154条の解説を見ていただけたらと思います。

改正前の155条は、改正後の154条に規定されることになったため、155条は削除されて空白の状態となっています。

民法156条について

 改正前の156条は、以下の条文でした。

時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。

この156条の規定は、改正後の152条2項に引き継がれています。

改正後の152条2項は、「前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。」と規定されています。
文章は改正前後でほぼそのままであり、内容的にもそのままとなっています。
権利の承認による時効の更新の場合に、承認した者の行為能力・権限の問題を規定しています。

この条文の具体的意味については、152条の解説をご覧ください。

改正前の156条についても、改正後の152条に引き継がれたことで、156条が削除となり、空白になっています。

民法157条について

改正前の民法157条は、以下の条文でした。

1 中断した時効は、その中断の事由が終了した時から新たにその進行を始める。
2 裁判上の請求によって中断した時効は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始める。

このように、民法157条は、時効の中断の効力を規定していました。

今回の改正により、時効の中断の制度は、内容的にはほぼ同じまま、時効の更新という制度に変わりました。
時効の更新の効力について、改正前の157条のように、その効力だけを規定した条文はなくなり、個別の時効の更新事由の規定において、その効力まで規定されることになりました。

時効の更新を規定しているのは、民法147条2項、148条2項、152条です。
それぞれの規定で、時効の更新の効力が規定されています。

時効の更新の効力は、147条2項、148条2項では、その事由が終了した時から新たに時効の進行が開始すると規定されています。
147条2項には、裁判上の請求が含まれていますが、その事由が終了した時が裁判の確定時と解釈されることから、改正前の157条と異なり、統一的に規定されています。

152条では、権利の承認があった時から新たに時効の進行が開始すると規定されています。
権利の承認については、手続に時間がかかるわけではないことから、終了時ではなく、承認があった時と規定されているものです。

157条も、改正後の147条2項、148条2項、152条に引き継がれたことで、削除になり空白になっています。

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