民法(債権法)改正の解説35 承認による時効の更新 民法152条

「第7章時効 第1節総則」に規定されている民法152条が改正されています。

改正後の民法152条は、以下のとおりです。

1 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。


152条1項、2項について、それぞれ解説したいと思います。

152条1項について

改正後の152条1項は、権利の承認をすると時効の更新の効力を生じることを規定しています。時効の更新.jpg

時効の更新とは、それまで経過した時効期間がゼロに戻り、新たにゼロから時効期間が進行し始めることをいいます。

改正前は、147条3号で「承認」が時効の中断になることが規定されていました。
時効の中断は、時効の更新と内容的に同じです。

改正後の152条1項では、「権利の承認」という記載になっていますが、内容的には変更ありません。
相手方の権利を承認した場合に、時効の更新となります。
権利の承認が書面でなされたことは必要ではありません。

ただし、裁判で争いになった場合には、書面がないと、立証が困難になってくるおそれが高いですので、書面があった方が「権利の承認」が認められやすいと思われます。

また、152条1項では、「その時から新たにその進行を始める。」と規定されており、承認がなされた時点をゼロとして時効期間が進行を始めます。

152条2項について

152条2項は、時効の更新となる権利の承認については、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと、権限があることを要しないと規定しています。

これは、改正前の156条で、「時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。」と規定されていたことを引き継いでいます。
改正後の152条2項と改正前の156条は、わずかに表現は異なっていますが、内容的には同一とされています。

改正後の152条2項を見ると、権利の承認をするには、行為能力が一切不要のようにも見えます。

しかし、改正前の法律解釈として、処分についての行為能力は不要であるが、管理行為を行う能力は必要であると解されていました。

 具体的には、以下のような解釈でした。

被保佐人、被補助人は単独で承認をすることができる。
未成年者は、単独で承認できない。親権者の同意があれば承認できる。
成年被後見人は、単独で承認できないし、成年後見人の同意があっても承認できない。

この改正前の解釈は、基本的に改正後も維持されるものと思われます。

それから、「権限」が問題となる場合の典型は、代理人が承認をした場合です。
この点について、処分行為の権限まで有していることは不要ですが、管理行為をする権限は有していることが必要と思われます。
民法103条で、権限の定めのない代理人は、保存行為と管理行為の権限を有すると規定されていますので、権利の承認を行うことができるものと解されます。

改正前の152条

ちなみに、改正前の152条は、「破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じない。」との規定でした。
これらの手続については、改正後の147条1項4号で、これら手続について、届出の取下げ等があっても、時効の完成猶予の効力が生じることが認められています。 

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