賭博罪

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賭博罪とは、賭博をした者に成立する犯罪のことです。

賭博罪は、刑法185条において規定されています。
賭博罪の刑事罰は、50万円以下の罰金または科料(1000円以上1万円未満)です。

賭博罪の刑法185条から、「第二十三章 賭博及び富くじに関する罪」の章が始まります。
賭博罪を含む賭博及び富くじに関する罪は、何のために設けられたのか、つまり保護法益は何であるかについて、学説上の争いがあります。
1つの考え方として、他人の射幸心につけこんでその人に財産上の損害を与える行為を処罰するためであり、保護法益はそのような損害を受けた個人の財産とする考え方があります。
しかし、この考え方に対しては、それでは賭博罪で単に賭博へ参加する行為を処罰していることを根拠づけることができないとの批判がされます。
そこで、通説は、個人の財産を保護法益とするのではなく、賭博行為が国民の健全な経済的生活の風習・美風を害する(国民を堕落させる)ことを防ぐためと解します。
判例は、これに加え、賭博はこれに付随して窃盗、強盗等の犯罪を誘発することを防ぐことも根拠とします(最高裁大法廷判決昭和25年11月22日)。
つまり、通説判例は、賭博及び富くじに関する罪は、いわゆるパターナリズムによる規制と解しています。

パターナリズムとは、父親が子供のために子供の行動に干渉・介入するかのように、国家が個人の意思に介入することを正当化することをいいます。
例えば、道路交通法上のシートベルト着用義務やヘルメット着用義務(バイクの場合)は、パターナリズムによる規制と解されます。
本来は、自らの生命・身体を守るためにどこまでの防護措置をとるかについては、それによって影響を受けるのはまさに自分自身であるから、その意思に任せても構わないわけですが、交通事故に巻き込まれないだろうと軽く考えがちであることから、国家が一定以上の防護措置をとるよう法的規制をしているものです。
他にも、覚せい剤自己使用罪は、パターナリズムによる規制としての面があります。覚せい剤により最も蝕まれるのは、覚せい剤を使用した自らの身体だからです。ただし、覚せい剤自己使用罪は、中毒症状により他人を傷付けるおそれや、暴力団などの反社会的勢力の資金源にもなることから、パターナリズムによる規制だけではないと思われます。

賭博とは、偶然の事情により財産上の利益を争うことです。賭けごとのことです。
ボクシングの勝敗を予想して金を賭けることや、金を掛けて麻雀をすることが該当します。
「賭」は、賭事(とじ)のことであり、本人の動作と関係ない事情に賭けることです。野球賭博やサッカー賭博などのことです。
「博」は、博戯(ばくぎ)のことであり、本人(代理人を含む)の動作の結果によって勝敗を決めることです。賭け麻雀や賭けゴルフが該当します。

基本的に勝敗の結果が偶然で決まることが必要ですが、賭け麻雀のように本人の技量に影響を受けるものでも構いません。
また、賭けをする当事者によって偶然であれば足り、客観的に偶然であることは必要ないとするのが判例です。
したがって、既に確定しているはずの過去の事実についても、当事者が知らない事実であれば、賭博に該当します。

これに対し、イカサマのような詐欺賭博の場合も、本罪の賭博に該当するかどうかについては、争いがあります。
つまり、このような場合には、当事者の一方にしか偶然性が存在しないのです。
判例通説は、賭博は、当事者双方にとって偶然であることが必要とし、賭博罪は成立しないと考えます。
もちろん、イカサマをしてだました者は、詐欺罪が成立します。

それから、賭博行為そのものを行えば、その時点で賭博罪が成立するというのが判例の考え方です。
勝敗が決したことも、金品のやりとりをしたことも必要ありません。

また、刑法185条ただし書きにおいて、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは」賭博罪が成立しないことが規定されています。
一時の娯楽に供する物とは、例えば生ビール1杯を賭ける場合のように、関係者が即時に娯楽のために費消するもののことを指すものと解されています。
判例は、金銭は一時の娯楽に供する物には性質上該当しないとしながら、飲食物を賭けて対価を支払わせた場合には賭博罪の成立を否定しています。

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