内乱罪

内乱罪とは、国の統治機構を破壊するなどの目的で暴動をする犯罪です178 内乱罪.png

刑法77条に規定があります。
内乱罪の刑事罰は、その犯人の集団内の地位・役割に応じて異なります。
①首謀者については、死刑または無期禁錮です。
②謀議に参与した者、群衆を指揮した者は、無期禁錮または3年以上の禁錮です。
③諸般の職務に従事した者は、1年以上10年以下の禁錮です。
④不和随行した者、その他単なる暴動参加者は、3年以下の禁錮です。

内乱罪は、単なる暴動を処罰するためのものではありません。
刑法77条では、国の統治機構を破壊する目的、国の領土において国権を排除して権力を行使する目的、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱する目的を有する暴動をした者を処罰する旨規定されています。
つまり、革命やクーデターを暴力的に実行した場合に成立する犯罪です
国家転覆の目的のない集団の暴動行為は、騒乱罪(刑法106条)となります。
また、内乱罪は、実際に国の統治機構が破壊されて革命が成功した場合を想定していません。
それは、革命が成功してしまった場合には、革命の実行者が国の統治者となり、、処罰されることはないからです。
したがって、内乱罪による刑罰が執行されるのは、革命やクーデターが失敗した場合となります。
刑法制定後のクーデターとしては、二・二六事件や五・一五事件がありますが、軍人は陸軍・海軍の軍法会議で処罰されており、刑法の内乱罪の適用は民間人に限られています。

内乱罪の実行行為である暴動とは、多数の者が結合して暴行脅迫を行い、その地方の平穏を害するに至ることと言われています。
ここでの暴行は、人に対する暴行だけでなく、物に対する暴行も含む広い意味のものです。
脅迫も、その(害悪の告知の)内容に制限がありません。
また、殺人や傷害、放火などの行為も、暴行に含まれます。
暴動の際に行われた個々の殺人や傷害、放火については、全て内乱罪の暴動行為に吸収されます。
つまり、個別の殺人、傷害、放火は問題にならないとされています。

内乱罪の未遂も処罰されます(刑法77条2項但書)。
内乱罪の未遂というのは、暴動行為はあったが、その地方の平穏を害されるに至らなかった場合のことです。
革命やクーデターが失敗したかどうかは、未遂とは無関係です。
なお、上記の役割のうち、④不和随行した者、その他単なる暴動参加者については、未遂で処罰されません。

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