相続法改正㉘ 特別寄与料(2)

相続法改正で新たに認められた特別寄与料の具体的内容、請求の特別の寄与.jpg
具体的手続について、説明したいと思います。

特別寄与料の具体的内容については、以下のとおりです。
家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定めるという規定があります(民法1050条3項)。
このように、特別寄与料の金額は、一切の事情を考慮して決められることになりますので、簡単な計算式で算出することはできません。
また、特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができないとも規定されています(同条4項)。
被相続人が遺贈(遺言)をしていない場合は、被相続人の相続開始時点の財産が特別寄与料の上限になります。
被相続人が遺贈(遺言)をした場合は、相続時の財産から遺贈の対象となった財産は除外され、残った財産の範囲で特別寄与料が認められることになります。
つまり、被相続人の意思である遺贈(遺言)が尊重され、特別の寄与がいくら大きかったとしても、遺贈を覆すことはできません。
以上の点については、寄与分の規定(904条の2)と同様となっています。

特別寄与料の請求の具体的な手続は、以下のとおりです。
まず、特別寄与料を請求する者(特別寄与者)は、相続人に対し、特別寄与料の請求をします。
特別寄与者と相続人との間で協議し、合意がまとまれば、その合意に基づいて特別寄与料が支払われます。

特別寄与者と相続人との間で、協議が調わないとき、協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる旨規定されています(1050条2項)。
具体的には、特別寄与者は家庭裁判所で調停または審判を申し立てることになります。
通常は、まず調停を申し立て、調停が不成立の場合に、審判に移行することになると思います。
最初から審判を申し立てることもできますが、特別の事情がない限り、話し合いの余地があるということで調停に付されてしまうのではないかと思われます。

調停・審判については、期間制限があります。
特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したとき、または相続開始の時から1年経過したときは、調停も審判も申し立てることができません(1050条2項ただし書き)。
この期間制限は、特別寄与者が相続人ではない者であることから、早期に決着させようとするためのものだと思います。
それにしても、相続の開始及び相続人を知った時から6か月という期間は、かなり短期間です。
また、相続開始を知らなくても相続開始の時から1年経過したら、特別寄与料を請求できないというのも、かなり厳しいと思います。
特別寄与料を請求しようと考えている方は、期間制限について注意が必要と思います。
条文上、特別寄与料の協議中だとしても、上記期間が経過したら、調停も審判も申し立てることができないものと考えられます。
特別寄与者は、相続人と協議をしながらも、上記期間制限を常に忘れないようにし、期間が経過しそうな場合は、まだ協議途中でも、調停・審判を起こす必要があると思います。

それから、相続人が数人ある場合には、各相続人が相続分に応じた金額を負担することになります(1050条5項)。
したがって、特別寄与者は、数人ある相続人のうちの一人だけに特別寄与料の全額を請求することはできず、各相続人に相続分に応じた金額を請求することになります。
ただし、特別寄与者は、必ずしも相続人の全員に特別寄与料を請求しなければならないわけではなく、特定の相続人に請求しないこともできると思われます。
特別寄与者が、自分が損することを甘受し、特定の相続任意請求しないことは自由なわけです。
特別寄与者から相続人のうちの一人だけが狙い打ちされた場合、その相続人は納得いかないかもしれませんが、その相続人に請求できるのは相続分に応じた金額だけであり、他の相続人の分まで請求されるわけではありません。


とくべつ

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