相続法改正⑯ 配偶者短期居住権(1)

相続法改正により、配偶者短期居住権という制度が新設されています。
これは、配偶者居住権とは別のものです。

また、配偶者短期居住権については、改正前の時点で、既に最高裁判決で認められていた配偶者の権利を明確化したものといえます。
ですから、改正後でも、改正前と運用は大きく変わるわけではありません。
ただし、従来の最高裁判決は、使用貸借契約の推認という法律構成でしたが、今回の改正で正面から配偶者の権利として認められており、細かな点も今回の法改正できちんと定められてました。
また、従来の最高裁判決では、被相続人が遺言等で配偶者の居住権を否定する意思を示した場合や、建物を第三者に遺贈した場合には、配偶者が直ちに居住する建物を明け渡さなければならなくなったところを今回の法改正で配偶者を保護することにしています。

配偶者短期居住権の基本的な規定である改正後の民法1037条1項は、以下のような内容です。
被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に、相続開始のときに、無償で居住していた場合、以下の期間、無償でその建物を使用する権利を有します。
①遺産分割によって建物の帰属が確定した日または相続開始から6か月を経過する日のいずれか遅い日まで。
②配偶者が相続放棄したり、配偶者以外の者に建物が遺贈されたりして、配偶者が遺産分割の当事者にならない場合、建物取得者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた日から6か月を経過する日まで。

被相続人と配偶者が同居していたことは要件になっておらず、別居状態でも配偶者短期居住権は認められます。

この場合で、配偶者が無償で使用していたのが建物の一部のみであった場合は、配偶者短期居住権が認められるのも、その一部のみになります。

ただし、配偶者が相続開始時に配偶者居住権を取得したとき、配偶者が相続欠格事由に該当したとき、配偶者が廃除によって相続権を失ったときは、配偶者短期居住権は発生しません(同条1項ただし書き)。

配偶者短期居住権が発生している間、その建物を取得した者は、第三者に建物を譲渡するなどして配偶者の建物の使用を妨げることをしてはならない旨が同条2項で規定されています。
ただ、配偶者短期居住権は、第三者対抗力が認められていません。したがって、建物取得者が法律の禁止を破り、第三者に譲渡してしまった場合、配偶者はその第三者に対して配偶者短期居住権を対抗することはできず、建物を明け渡さなければならない立場になります。
その場合に、配偶者は、建物取得者に対して損害賠償請求をすることはできます。

出典:法務省ホームページhttp://www.moj.go.jp/content/001263482.pdf
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