上告受理申立て

上告受理申立てとは、民事裁判で控訴審判決に不服のある当事者が、最高裁判所などの判例違反やその他の法令解釈に関する重要な事項を含む法令違反を理由に上告審として事件を受理するように求めることです。

上告受理申立てについては、民事訴訟法318条に規定されています。

上告については、最高裁判所の負担軽減のため、憲法違反や重大な手続違背がある極めて限定された場合にしか認められないところ、最高裁判所の裁量で最高裁判所の判例違反や重大な法令違反等がある場合に上告審として受理することが認められたものです。
このように最高裁判所の裁量で上告として受理するか決めることから、上告受理申立てのことを裁量上告とも言います。

上告受理申立てをするのは、控訴審判決に不服のある当事者ですが、合わせて上告をすることも可能ですし、上告受理申立てしかしないことも可能です。

上告受理申立てができる場合については、法律上、①控訴審判決が最高裁判所の判例、最高裁判所の判例がないときに大審院の判例・高等裁判所の判例に相反する判断がある場合、②法令の解釈に関する重要な事項を含む法令違反がある場合とされています。

このうち、①については、控訴審判決が最高裁判所の判例に反する判断をすることは滅多にありませんが、そのような場合は最高裁判所が上告受理の決定をして判断をする場合が多いと思います。そうしないと、論理の矛盾する判決が併存してしまい、混乱を招くからです。
また、①に関係して、最高裁判所の判例がないときに、高等裁判所の判断が分かれた場合も、やはり最高裁判所が判例を統一させるため、上告受理の決定をして判断することが多いと思われます。

②については、最高裁が、法令の解釈に関する重要な事項を含むと考えれば、上告を受理する決定を出すことができると思われ、最高裁の裁量はかなり広いと思われます。

最高裁判所が、上告受理の決定をした場合でも、控訴審判決が維持される、つまり上告が棄却されることもあります。
上告受理の決定は、門前払いはされないということであり、必ずしも控訴審判決に法令違反があるなどという主張が認められたとは限らないということです。

上告受理の決定がされた後は、上告された場合と基本的に同様の審理になります。
基本的に書面審理ですが、上告を認容(原判決を破棄)する場合には、口頭弁論を開く必要があります。

最高裁判所は、以下のいずれかの判断をします。
・上告棄却
・原判決破棄・差戻し
・原判決破棄・自判

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