上告(民事裁判)

上告とは、民事裁判において、基本的に、控訴審(第二審)の最高裁判所.jpg
終局判決に対する不服申立てのことです。

上告は、刑事裁判などでも上告というものがありますが、この箇所では民事裁判の場合の控訴について説明します。

上告は、通常、最高裁判所での審理を求めるものと考えられると思いますが、第一審が簡易裁判所の場合は、控訴審が地方裁判所になり、上告審は高等裁判所になります。
また、例外的な場合で、第一審が高等裁判所において審理・判決が行われた場合、飛越上告の合意(第一審の判決後に当事者双方が上告する権利を留保して控訴しない旨を合意すること。)がある場合は、第一審に対する不服申立が上告になります。

上告は、控訴と大きく異なり、上告することができる場合が、とても限定されています。
法律が上告できる場合として定めている要件が、上告理由です。
この上告理由に該当しないと、上告が認められないことになっています。

上告理由は、基本的に、以下の場合に認められます。
①判決に憲法の解釈の誤りなどの違反がある場合。
②法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
③法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
④日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
⑤専属管轄に関する規定に違反したこと。
⑥法定代理権、訴訟代理権、代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
⑦口頭弁論の後悔の規定に違反したこと。
⑧判決に理由を付せず、理由に食い違いがあること。

これらのうちの②~⑧は、裁判所の手続に重大な瑕疵がある場合が列挙されていますが、実際上まずこのような重大な瑕疵が存在することはありません。
そうすると、上告は、①憲法違反がある場合に限られてしまいますが、憲法違反があるという場合もまずありません。
したがって、上告が認められる場合は、ほとんどありません。

このように、 控訴審判決が間違っているということだけでは、上告はできないことになっています。
それは、なぜかといえば、控訴審判決が間違っているというだけで上告できることになると、大量の事件が最高裁判所に上告され、最高裁判所が審理・判断しきれずに、最高裁判所がパンクしてしまうからです。
最高裁判所がパンクしてしまうと、上告された事件が判断されないまま滞留していき、最高裁判所の判断が出るのが例えば10年先になるというおそれがあります。
判決が未確定のまま10年が経過してしまうという事態では、関係者が大変困りますし、司法が機能不全になってしまいます。
そこで、事件が最高裁判所で滞留しないように、また最高裁判所が日本国にとって重要な判断をすることに集中できるように、最高裁判所が審理する場合を極めて限定したのです。

他方、上告審が高等裁判所の場合には、もう少し間口を広げ、「判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反」がある場合にも、上告できることにし、憲法違反がなくても上告できるようになっています。

それから、最高裁判所に対する上告が極めて限定されている代わりに、上告受理申立というものが認められています。
この上告受理申立は、控訴審判決に最高裁判所の判例に反する判断がある場合やその他の法令の解釈に関する重要な事項を含む場合に申立をすることができ、最高裁判所が裁量で上告受理決定をした場合には、上告として認められるというものです。
この上告受理申立により、控訴審判決に対する不服申立の間口が広がりましたが、その不服申立が取り上げられるかどうかは、最高裁判所の裁量になっています。

また、上告する場合には、控訴審の判決書の送達を受けた日から2週間の上告期間内に上告状を控訴審の裁判所に提出しなければならず、上告期間を経過すると、控訴審判決が確定てしまいます。
その後、上告状を受理した控訴審の裁判所から当事者に上告提起通知書が送達され、その送達日から50日以内に、上告した者は、上告理由の具体的内容を記載した上告理由書を控訴審の裁判所に提出しなければなりません。
上告理由書が提出されないと、控訴審の裁判所が上告を却下します。

上告審の判決が出た場合、第一審や控訴審の裁判所に事件が差し戻されない限り、即時に判決は確定します。
ただし、高等裁判所が上告審の場合は、憲法違反がある場合に限り、最高裁判所にさらに上告をすることが認められています。
これを特別上告といいます。

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