清算(株式会社)

清算とは解散後の株式会社の全ての権利義務を処理した上で、残った財産がある場合には株主に分配し、その完了によって会社の法人格が消滅する手続のことです。

会社が解散した場合でも、合併や破産のときには、清算の手続はとられません。合併の場合には清算なしに合併の効力発生時点で法人格が消滅します。また、破産の場合は破産手続終了の際に法人格が消滅します。

清算には、2種類あります。
通常清算特別清算です。
会社法の規定においては、通常清算が原則的な取扱いとなり、特別清算は例外的に取り扱われているようです。
特別清算をすべき場合について、会社法において、ⅰ(通常)清算の遂行に著しく支障を来すべき事情があること、ⅱ債務超過の疑いがあることのいずれかが認められる場合に裁判所が特別清算開始の命令をすることになっています(会社法510条1号、2号)。
一般的に、会社を消滅させることを選択する場合、会社の経営が行き詰まっている、つまり債務超過や支払不能のことが多いですので、通常清算ではなく、特別清算の方が行われることが多いと考えられます。
ですが、債務超過の場合により一般的なのは、破産です。
なぜなら、特別清算の手続を終えるためには、債権者集会において議決権の総額の3の2以上の議決権を有する(かつ、出席した者の過半数の)債権者の同意が必要になるため、大半の債権者の協力が見込める場合にしか使えないからです。
つまり、会社法上の清算は、通常清算も特別清算も、あまり使われることがない手続ということです。

以下の清算手続の説明は、基本的に、通常清算に関するものです。
清算手続が開始されると、その時点の取締役は地位を失い、清算人がとって代わって清算事務を行うことになりますが、株主総会や監査役は継続し、株式は解散後も自由に譲渡できます。
清算人については、会社法において、
①清算人を1人または2人以上置かなければならないこと(477条1項)
②原則、解散時の取締役がそのまま清算人になること(法定清算人。478条1項。例外があります(478条1項、2項))
③清算人の地位は取締役とほぼ同じで(491条、485条)、職務権限は清算事務に限られること

が規定されています。
また、清算人全員で組織される清算人会が設けられる場合があります。

清算人が行う清算事務は、基本的に
①現務の結了
②債権の取立て・債務の弁済
③残余財産の分配
とされています(会社法481条1号~3号)。

清算事務が終了した場合には、遅滞なく決算報告が作成され(会社法507条1項)、株主総会において承認を受けなければなりません(会社法507条3項)。
株主総会の承認をもって、清算は終了し、会社の法人格が消滅します。この株主総会承認の2週間以内に、清算結了の登記をする必要があります(会社法929条1号)。

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