取締役とは、株式会社の機関の一つで、一般的には、いわゆる業務執行(事業計画などを策定し、従業員を管理するなどして、実際の株式会社の業務を行う)を担当する人のことです。
取締役になる資格については、取締役は自然人に限られ、法人が取締役になることはできません(会社法331条1項1号)。
他にも、成年被後見人は取締役になることができないなどという欠格事由が会社法331条1項に規定されています。
また、取締役と監査役は兼任することができません(会社法335条2項。子会社の取締役と親会社の監査役も兼任できません)。
取締役の人数については、会社法において、株式会社には、1人または2人以上の取締役を置かなければならないと規定されています(会社法326条1項)。
取締役会を設置する場合は、取締役が3人以上必要です(会社法331条4項)。
取締役の任期は、原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時とされています(会社法332条1項)。
ただし、公開会社の場合、定款などで任期を2年より短縮することができます。しかし、2年より伸ばすことはできません(会社法332条1項但し書き)。
公開会社ではない会社においては、定款で、任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸ばすことが 認められています(会社法332条2項)。
取締役の選任については、株主総会の決議によって行われます(会社法329条1項、341条)。
会社法では、大きく分けて、取締役会を設置している会社かどうかで、取締役の権限が異なるものとされています。
①取締役会設置会社ではない場合
取締役が設置されていない会社の場合(中小企業が多いです)、原則として取締役が業務執行の決定を行い、決定に従った実際の業務執行を行います。
取締役が2人以上いる場合には、業務執行の決定は原則として取締役の過半数で決めることになります(348条2項)。
また、代表取締役がいない場合には、取締役が会社の代表になります。
加えて、取締役は、他の取締役の業務執行の監督を行います。
②取締役会設置会社の場合
取締役会設置会社の場合(大企業が多いです)、取締役会が業務執行の決定や、業務執行を行う代表取締役などの監督を行うため、その取締役会の構成員として関与するということになります。