私用文書等毀棄罪

私用文書等毀棄罪とは、権利義務に関する他人の文書または権利義務に関する電磁的記録を毀棄した場合の犯罪です。

この犯罪については、刑法259条で規定されています。173 使用文書等毀損罪.png 刑法259条で、私用文書等毀棄罪について、5年以下の懲役に処すると規定されています。

私用文書等毀棄罪の客体については、刑法259条で、権利義務に関する他人の文書または電磁的記録と規定されています。
権利義務に関する文書とは、法的な権利や義務を証明するための文書のことです。
例えば、契約書や領収証、株券は、権利義務に関する文書に該当すると思われます。
文書といっても、学校の通知表や記念写真という法的な権利義務と無関係な書類は、私用文書等毀棄罪の対象となる権利義務に関する文書に該当しませんが、これらのものを破り捨てた場合には、器物損壊罪(刑法261条)に該当します。

また、他人の文書とは、他人が所有している文書のことです。官公庁などの公務所が保管している文書は、公用文書等毀棄罪の対象になりますので、含みません。
自分が所有する文書であっても、差押えを受けたとき、物権を負担しているとき、賃貸しているときには、私用文書等毀棄罪の対象となります。物権を負担している場合の具体例としては、質入れしているときがあります。

電磁的記録については、公用文書等毀棄罪と同様であり、いわゆるパソコンのデータなどが該当します。
刑法7条の2において、電磁的記録の定義が規定されており、電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他、人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理のように供されるものとされています。

私用文書等毀棄罪でいうところの毀棄についても、公用文書等毀棄罪と同様です。つまり、文書を破るなどの文書の効用を害する行為全般のことです。
文書を隠匿する場合も、毀棄に該当するという判例があります。
また、電磁的記録の毀棄は、パソコン上のデータを破棄してしまうなどの行為のことです。

私用文書等毀棄罪は、親告罪です。
つまり、被害者などの告訴がないと、起訴されません。
刑法264条において、器物損壊罪などと共に私用文書等毀棄罪が親告罪であることが規定されています。

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