準詐欺罪

準詐欺罪とは、未成年者の知慮浅薄に乗じるか、人の心神耗弱状態に乗準詐欺罪じて、財物または財産上の利益を得る場合に成立する犯罪です。

刑法248条に規定されています。
準詐欺罪の刑罰は、詐欺罪と同じで、10年以下の懲役です。

準詐欺罪は、詐欺行為ではないものの、被害者の判断能力の低さを利用して誘惑的手段によって被害者から財物等を得ることで成立する犯罪です。
詐欺行為ではないことから、被害者が錯誤に陥っていない状態で、財産を処分してしまうことにより準詐欺罪が成立します。

準詐欺罪の実行行為は、二種類です。
一つが、未成年者の知慮浅薄に乗じることです。
未成年者は、当然ですが、満20歳未満の人です。
つまり、未成年者の判断能力が未熟なのに乗じて、何もだます行為はせずに、誘惑的手段で被害者から財物などを得ることです。
例えば、莫大な遺産を相続した男子中学生に対し、成人女性が1億円を自分に欲しいと懇願し、1億円の贈与を受けた場合、特に詐欺行為をしていなくても、何らかの誘惑的手段でその中学生の判断能力の低さに乗じて贈与を実現させた場合には、準詐欺罪が成立すると思います。

もう一つが、人の心神耗弱状態に乗じることです。
それは、ここで心神耗弱に乗じるとは、何らかの精神の障害により判断能力が著しく低いことを利用し、誘惑的手段で被害者から財物等を取得することです。
心神耗弱という言葉は、刑法39条2項で、「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と規定されているところでも出てきます。
裁判例で、飲酒で酩酊状態の被害者から上着などをはぎ取ったという事案において、第一審判決が強盗罪の成立を認めたのに対し、強盗罪が成立する程の暴行は存在しないとし、準詐欺罪の成立を認めた控訴審判決(福岡高裁判決昭和25年2月7日)があります。
また、完全に判断能力を喪失している被害者から誘惑的手段で財物を得るのは、準詐欺罪ではなく、窃盗罪が成立すると考えられています。学説の通説的見解です。 

それから、未成年者や心神耗弱状態の人に対して、詐欺行為をした場合には、準詐欺罪ではなく、詐欺罪が成立します。

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