相続法改正⑨ 遺言執行者の権限の明確化等(3)

遺言執行者の権限について、相続法改正後の民法1012条2項として、新たな条文が追加されています。

それは、「遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。」というものです。

この条文が新に追加されたのは、これまでのルールを変更するものではありません。
過去に裁判で争われた結果、最高裁判決の解釈により定まったものを立法化することで明確にしようとして、新たな条文になったものです。

この条文は、特定の財産を遺贈する場合である特定遺贈の場合に適用されます。
特定遺贈の受遺者(遺贈によって利益を受ける者)が、例えば遺贈を受けた不動産の移転登記手続を請求する相手方とすべきなのは、遺言執行者がいる場合は遺言執行者のみになるという趣旨です。

最高裁判決昭和43年5月31日は、特定遺贈の受遺者が、遺贈を受けた不動産について相続登記をした相続人に対して、移転登記手続請求の訴訟を起こした事案で、遺言執行者がいる場合に移転登記手続請求をする相手方となるのは遺言執行者のみであり、相続人に対して訴えを提起することはできないと判示しました。
この最高裁判決を立法化したのが民法1012条2項です。

1012条2項は、不動産登記だけでなく、受遺者が遺贈の履行請求をする場合の相手方は、遺言執行者がある場合は遺言執行者のみになることを規定しています。

なお、この改正後の民法1012条2項が設けられたことにより、改正前の1012条2項と同一内容の規定が、改正後の1012条3項として規定されています。

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