民法(債権法)改正の解説45 確定判決等の消滅時効 民法169条

民法169条も形式的ですが、改正されています。

改正後の民法169条は、以下のとおりです。

1 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

民法169条について、以下において、解説していきます。

改正前の169条について

改正前の169条は、以下の条文でした。

年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、5年間行使しないときは、消滅する。

この改正前の169条は、168条の定期金債権の消滅時効の規定を受け、定期金債権の支分権の消滅時効期間を定めたものです。
つまり、賃料や養育費などの定期金債権において毎月発生する請求権の消滅時効期間を5年としたものです。

改正前において、定期金債権の基本権の消滅時効期間を定めた168条が実際上問題となることは少なく、実務的には169条の方が重要でした。

しかし、改正前の169条については、今回の改正で対応する規定が設けられませんでした。

なぜなら、改正後の166条1項において、一般的な債権の原則的な消滅時効期間が、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年と規定されたことにより、わざわざ定期金債権の支分権の消滅時効期間を5年とする規定を設ける意味が乏しくなったからです。

よって、毎月発生する賃料や養育費の請求権などの消滅時効期間は、改正後の166条1項の適用を受け、原則として5年で時効になります。

改正後の169条について

改正後の169条と同様の規定が、改正前の174条の2です。以下の規定でした。

1 確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

結論的には、この改正前の174条の2の規定が、少し表現が変わっているだけで、実質的な内容は同じまま改正後の169条となっています。勝訴判決.jpg

改正前では、一般的な債権の消滅時効は10年であり、それ以外に職業別の1年、2年、3年という短期消滅時効が規定されていました。
これらの短期消滅時効についても、確定判決で確定した場合は、10年を経過しないと消滅時効が完成しないというのが、改正前の174条の2でした。
一般的な債権は、174条の2の適用を受けずとも、10年の消滅時効期間でした。

改正後は、一般的な債権の原則的な消滅時効が5年になると共に、短期消滅時効がなくなりました。
これにより、一般の5年の消滅時効期間の債権が、確定判決により10年の消滅時効期間になることになりました。

このように、条文の内容は変わりませんが、実質的な適用場面が変わったといえると思います

確定判決と同一の効力を有するものとは、訴訟上の和解調書や家事調停調書、仮執行宣言付の支払督促(異議のない場合)などがあります。

経過規定

施行日(令和2年4月1日)より前に債権が生じている場合は、消滅時効期間は、改正前の規定の適用を受け、改正法は適用されません。

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