過失建造物等浸害罪

過失建造物等浸害罪とは、過失により出水させて、205270.jpg
現住建造物等浸害罪の対象物を浸害させる犯罪、
非現住建造物等浸害罪の対象物を浸害させて公共の危険を生じさせる犯罪です。

過失建造物等浸害罪は、刑法122条において規定されています。
過失建造物等浸害罪の刑事罰は、①、②の犯罪ともに、20万円以下の罰金です。

火災の場合の失火罪と似ています。
ただし、失火罪は、50万円以下の罰金ですので、過失建造物等浸害罪の方が刑罰は軽いと言えます。
また、失火罪の場合には、業務上失火罪、重失火罪という重い刑罰が科されるものがありますが、過失建造物等浸害罪にはそのような加重類型の規定はありません。

過失とは、その具体的内容について学説上の議論があるところです。
判例実務の一般的な理解は、過失とは、結果が発生することを予見する義務または結果発生を回避する義務があるにもかかわらず、不注意によりその義務を怠ることです。
最近は、結果を予見する義務よりも、結果を回避する義務の方に重点があると言われています。 

実際に、本罪が問題になった事例として、東京都の治水事務所が管理する水門において、高潮防止のための門扉開閉装置が省力化の要請から自動化された際、その工事を請負った業者の技術担当者が、施行および竣工後の調整の過程で、装置に重大な欠陥を残す誤りを犯し、その結果、当然門扉が閉まっていなければならない高水位に際し、突然門扉が開いて河川沿岸の住宅地が浸水するという事故が発生したことにつき、同事務所水門管理課管理係長で、本件工事の検査員として検査に当たった被告人が、検査の仕方が十分でなかったとして過失建造物等浸害の罪責を問われ、有罪判決が出されたものがあります(東京高裁判決昭和52年3月24日)。

過失による出水で、現住建造物等浸害罪の対象となっている、現に人が住居に使用し、または現に人がいる建造物、汽車、電車、鉱坑が浸害されれば、これにより具体的な公共の危険が発生したか否かを問わずに、過失建造物等浸害罪が成立します。
非現住建造物等浸害罪の対象となっている、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、汽車、電車、鉱坑やそれ以外の田畑、牧場等が浸害されたときには、これにより具体的な公共の危険が発生した場合に限り、過失建造物等浸害罪が成立します。
つまり、前者は抽象的危険犯であり、後者は具体的危険犯です。 

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