過失往来危険罪、過失汽車転覆等罪、過失艦船転覆等罪、業務上過失往来危険罪など

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過失往来危険罪、過失汽車転覆等罪、過失艦船転覆等罪、業務上過失往来危険罪などは、刑法129条に規定されている犯罪です。

過失往来危険罪とは、過失によって汽車・電車・艦船の往来の危険を生じさせた犯罪です。
過失汽車転覆等罪とは、過失によって汽車・電車を転覆・破壊させた場合に成立する犯罪です。
過失艦船転覆等罪とは、過失によって艦船を転覆・沈没・破壊させた場合に認められる犯罪です。
過失往来危険罪、過失汽車転覆等罪、過失艦船転覆等罪は、刑法129条1項に規定されており、その刑事罰は、いずれも30万円以下の罰金です。

これら犯罪における過失とは、結果が発生することを予見する義務または結果発生を回避する義務があるにもかかわらず、不注意によりその義務を怠ることをいいます。
過失往来危険罪は、要するに、往来危険罪を過失によって犯した場合のことです。往来危険罪は、故意がある場合に成立します。
過失汽車転覆等罪も、汽車転覆等罪を過失によって犯した場合に成立します。
過失艦船転覆等罪も、艦船転覆等罪を過失によって犯した場合のことです。
ただし、汽車転覆等罪艦船転覆等罪は、現に人がいる汽車や、現に人がいる艦船であることが要件でしたが、過失汽車転覆等罪及び過失艦船転覆等罪は、条文上、「現に人がいる」という要件の記載がありませんので、無人の汽車や無人の艦船でも成立すると考えるのが通説です。

また、これら犯罪(例えば、過失汽車転覆等罪)の結果、人が死亡してしまった場合については、汽車転覆等致死罪のような規定はありませんので、別に過失致死罪(刑法210条)が成立し、過失致死罪と過失汽車転覆等罪は観念的競合(刑法54条1項前段)の関係に立ちます。 

それから、刑法129条2項において、以下に説明する犯罪が規定されています。
業務上過失往来危険罪とは、その業務に従事する者が、過失往来危険罪を犯した場合に成立する犯罪です。
業務上過失汽車転覆等罪とは、その業務に従事する者が、過失汽車転覆等罪を犯した場合に成立する犯罪です。
業務上過失艦船転覆等罪とは、その業務に従事する者が、過失艦船転覆等罪を犯した場合に成立する犯罪です。
業務上過失往来危険罪、業務上過失汽車転覆等罪、業務上過失艦船転覆等罪の刑事罰は、いずれも3年以下の禁錮または50万円以下の罰金です。

これらの犯罪は、過失往来危険罪、過失汽車転覆等罪、過失艦船転覆等罪が、業務に従事する者によって行われた場合の犯罪です。
業務とは、社会生活上の地位に基づき反復継続して行われる事務のことです。
業務に従事する者とは、直接的または間接的に、汽車・電車・艦船の往来の業務に従事する者のことを言うと解されています。
したがって、汽車、電車の運転手や、車掌、船長、乗組員だけでなく、保線工事の従事者や駅員なども含まれるものと思われます。

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