非現住建造物等浸害罪

非現住建造物等浸害罪とは、出水させて、現住建造物等浸害罪の対象物以外の物(非現住建造物等)を浸害し、よって公共の危険を生じさせる犯罪です。

刑法120条に規定があります。
その刑罰は、1年以上10年以下の懲役です。

非現住建造物等浸害罪は、現住建造物等浸害罪が成立する対象物以外の対象物になる他は、ほぼ同じ犯罪です。
現住建造物等浸害罪が成立する対象物は、現に人が住居に使用し、または現に人がいる建造物、汽車、電車、鉱坑です。
したがって、非現住建造物等浸害罪の対象になる物として、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、汽車、電車、鉱坑があります。
それから、建造物や汽車、電車、鉱坑以外の物は広く対象となります。
例えば、牧場や田畑が想定されます。
そして、放火罪では非現住建造物等放火罪建造物等以外放火罪に分けられているのとは異なり、建造物等とそれ以外の物が分けられていません。

また、刑法120条2項において、自己所有の物の場合には、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、保険に付されたものである場合に限り、非現住建造物等浸害罪が成立する旨規定されています。
したがって、基本的には他人所有の物を浸害したことで成立する犯罪であり、自己所有の物については他人の何らかの権利を害するような上記事情がある例外的な場合に限って犯罪となるものです。
放火罪では、自己所有の物で、特に他人の権利を侵害しない場合でも犯罪が成立しますが、それは火災による公共に対する危険性が高いことによるものと思われます。

それから、非現住建造物等浸害罪は、結果として、公共の危険が発生したことが必要です。
したがって、具体的危険犯と言われます。
非現住建造物等浸害罪の公共の危険とは、出水させたことにより、現住建造物等も浸害させるおそれや、不特定多数の人間の生命・身体・財産を浸害させるおそれが発生することです。

放火罪と同様、行為者が、公共の危険を発生させることの認識を有することが必要であるかどうかについて、学説上の論争があります。 

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