なぜ弁護士に依頼すると、着手金を支払わなければならないのですか?

弁護士に依頼する場合、弁護士費用として、最初に着手金がかかるのが一般的だと思います。
なぜかといえば、これまでの慣例という面が大きいと思います。

以前は、弁護士会で弁護士報酬の基準が決まっていました。
その基準において、結果の成功不成功がある訴訟や示談交渉などの場合には、着手金・報酬金の方式で弁護士報酬が定められるのが基本のように規定されていました。
それに基づき、多くの弁護士は、事件の依頼時に着手金を支払ってもらい、事件の終了時に成功に応じた報酬金を支払ってもらうというのが定着していました。
1時間いくらの時間制(タイムチャージ)によることもできることになっていましたが、大手事務所や渉外事務所が採用する程度でした。

現在は、弁護士会の報酬基準はなくなっていますが、以前からの慣例によることが多いと思います。

それから、結果にかかわらず最低限かかる着手金と、結果に応じて発生する報酬金という二段階によることは、一定の合理性があると思います。
依頼者の方からすれば、結果が重要ですので、結果が出ていないのに、結果にかかわらない着手金という費用を支払わなければならないのは、納得しづらいかもしれません。
ですが、例えば、裁判の場合、結果が出るまでに半年~2年程度かかるのが一般的であり、それまでに弁護士が費やす労力・時間は、結構な量になります。
そうすると、最初に弁護士が最低限の費用をいただく必要性が出てくると思われます。

また、裁判などの場合、どちらかが勝者、どちらかが敗者になる可能性が高いですが、結果が成功しなければ弁護士は費用を請求できないことになってしまうと、敗者になりそうな人の弁護を引き受ける場合、弁護士は全くの無償労働になる覚悟が必要となります。
裁判の場合、半年~2年程度かかることが多いですので、それだけの期間の労力を費やして無償になるかもしれないと思うと、依頼を受けることを躊躇する者が出てくるのはやむを得ないのではないでしょうか。
弁護士が自分で裁判をやった結果がダメだったのだから、弁護士が無償労働になっても文句を言うべきではないという意見はあるかもしれません。
ですが、働いても給与が全く出ないかもしれない会社だと分かっていながら入社する人はまずいないと思います。
そのような意味で、労力に見合った最低限の費用を確保したい弁護士と、結果に見合った費用にしたい依頼者の方の双方が納得しやすい弁護士費用の方式が、最低限かかる着手金と結果に応じた報酬金の二段階になるのではないかと思います。

渉外事務所や大手事務所が採用している時間制の弁護士費用については、弁護士は労力に応じた費用を受領できますが、依頼者の方にとっては良い結果か悪い結果かが全く弁護士費用に反映されず、時間がかかればかかっただけ結果がダメでも費用だけはどんどん高くなるので、納得しづらいと思われます。
したがって、結果の成功不成功がある事案には、時間制の弁護士費用は採用しづらい方式だと思います。

その他、着手金を全く無しにすることについては、弁護士が結果だけを遮二無二追求することになるおそれや、成功報酬が高額化するおそれがあり、弁護士には社会正義の実現という使命があるという観点から、あまり望ましくないということも言われることがあります。

当事務所は、着手金がかかる場合でも、低額かつ定額になるように努めております。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

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