現場助勢罪

現場助勢罪とは傷害罪または傷害致死罪が行われるにあたり、現場において勢いを助けた者に成立する犯罪です。
現場助勢罪の規定は、刑法206条です。
現場助勢罪の刑事罰は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料とされています。

現場助勢罪は、傷害行為をその現場であおり、はやし立てる行為を処罰の対象としているものです。
ただし、現場助勢罪は、その位置づけについて、争いがあります。

判例は、喧嘩などの傷害事件の現場で、その一方を応援し、はやし立てる行為は、傷害罪幇助罪が成立すると考えます。
傷害罪の幇助罪とは、傷害罪の主犯の手助けをすることで成立します。一方を応援する行為も、手助けになるものと考えられているのです。
そして、現場助勢罪はどちらか一方に加勢するのではなく、単にはやし立てる行為の場合に成立するものとします(大審院判決昭和2年3月28日)。
判例の見解では、どちらか一方に加勢する行為は、現場助勢罪が成立しませんので、現場助勢罪の適用を受ける行為の範囲は狭いと思われます。

これに対し、現場助勢罪は、傷害罪の幇助罪になり得る、一方のみを応援し、はやし立てる行為も含め、傷害の現場で勢いを助ける行為一切について、成立するという学説があります。
この説ですと、本来、傷害罪または傷害致死罪の幇助罪が成立すると科される刑罰よりも、かなり軽い刑罰しか科されないことになります。
その点については、傷害の現場では、野次馬的な心理や群集心理がはたらきがちなため、その点を考慮して、傷害罪または傷害致死罪の幇助罪のうち現場で勢いを助ける行為について特に軽い刑罰を科すことにしていると解釈しています。

実務上は、判例の見解によって運用されており、判例の見解では、現場助勢罪が認められる範囲は狭いため、現場助勢罪で立件されるケースは非常に少ないです。

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