看守者等逃走援助罪

看守者等逃走援助罪とは、法令により拘禁された者を看守・護送する者が拘禁された者を逃走させる犯罪です。

この犯罪は、刑法101条において規定されています。
その刑罰は、1年以上10年以下の懲役です。

看守者等逃走援助罪は、看守者・護送者が逃走援助罪を犯した場合に刑罰が重くなる犯罪と考えることができます。
ただし、後で記載するとおり、単純に、主体が看守者・護送者になっただけではなく、逃走援助罪と内容的に変更されている部分があります。

法令により拘禁された者とは、法的根拠に基づいて国・地方公共団体の機関から身体の自由を拘束されている者を広く指します。
被拘禁者奪取罪逃走援助罪の対象も、法令により拘禁された者です。
法令により拘禁された者の詳しい内容については、被拘禁者奪取罪において説明しておりますので、そちらをご覧ください。

看守者とは、被拘禁者を事実上管理・支配している者のことです。
護送者とは、被拘禁者を拘束状態のまま送致する者のことです。
これらの者は通常警察官や刑務官などの公務員ですが、看守者等逃走援助罪が成立するのは公務員に限らず、法令上の根拠に基づいて看守・護送の任に当たる者であることが必要と解されています。

看守者等逃走援助罪の実行行為である逃走させることとは、被拘禁者の逃走を容易にする一切の行為と解するのが通説です。
これに対し、被拘禁者を積極的に解放させる行為、被拘禁者が逃走するのを黙認する行為に限られるとする見解もあります。
いずれの見解にしても、看守者等が故意に被拘禁者を逃走させることが必要であり、過失によって逃走されてしまった場合には犯罪になりません。

加えて、看守者が逃走させようとした結果、被拘禁者が逃走したことがです。
つまり、被拘禁者が拘束状態から離脱したことが必要です。
被拘禁者が結果として捕まってしまったとしても、一時的に完全に離脱した場合にはその時点で看守者等逃走援助罪が成立します。

看守者等が被拘禁者が逃走させようとしたが、追跡を受けた状態のまま、一度も離脱したといえなかった場合は、看守者等逃走援助罪の未遂犯として処罰されます(刑法102条)。

 

 

 

 

 

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