不動産侵奪罪

不動産侵奪罪とは、他人の不動産を了解なく占有することによって成立する犯罪です。不動産

刑法235条の2に規定されています。
不動産侵奪罪の刑罰は、10年以下の懲役です。罰金刑はありません。

不動産侵奪罪は、不動産についての窃盗罪と言われています。
第二次大戦後、特に都市部で土地の不法占拠が横行したことから、昭和35年の刑法改正で創設されました。

不動産侵奪罪が成立する「不動産」は、基本的に土地と建物です。建物以外の壁や門などの定着物も「不動産」ですが、これらの物を土地から引き離して自己の物にしたときは、窃盗罪が成立します。
マンホールのフタが盗まれたというニュースが流れることがありますが、マンホールのフタは最初から土地に定着しているとまではいえませんので、これを盗めば窃盗罪が成立すると思います。

また、不動産侵奪罪に該当する行為は、他人の土地に勝手に建物を建築して住み始めることや、他人の土地との境界線を移動させて隣地を自分のものにすることなどが該当します。
ただし、ホームレスが河原にビニールシートの家を作っていることがありますが、この程度の家の場合には、最高裁は不動産侵奪罪は成立しないとしています(最高裁判決平成12年12月15日)。

それから、建物について、他人の空き家に侵入して住み続ける行為も、不動産侵奪罪に該当します。
ですが、建物の賃貸借契約が解除されたにもかかわらず建物に居座り続ける行為は、不動産侵奪罪に該当しません。
不動産侵奪罪が成立するためには、他人の占有を排除して自己の物にすることが必要なところ、建物賃貸借契約があったのであれば、他人の占有を排除する行為がないからです。

不動産侵奪罪が成立するためには、一時的なものではなく、ある程度継続した不法占有であることが必要です。
したがって、一晩空き家で過ごした程度では不動産侵奪罪は成立しません。ただし、住居侵入罪(刑法130条前段)は成立します。

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