何も言わなくても契約が成立してしまう!?

身近ではない契約書と身近な契約

今回は、契約について、お話ししたいと思います。契約書.jpg

みなさんは契約書に署名押印したことはありますか。
社会人の方は、仕事の関係で契約書の作成に関与したことがあったり、1人暮らしの部屋を借りるため、マイホームやマイカーを買うためなどで契約書を結んだりしたことがあるのではないでしょうか。
このように、契約書を作るのは、金額の大きなものや、重要性の高い契約のときだと思います。契約書を作成するというのは、一般の方にとって、あまり身近ではないと思います。

これに対し、契約は、必ずしも書面にする必要はありません。そして、みなさんは毎日のように契約を結んでいます。たとえば、コンビニで飲み物を買うこと(売買契約)、切符を買って電車に乗ること(運送契約)は、いずれも契約を結んでいるのです。
契約書を作らない契約は、みなさんの身近に存在しています。
そして、多くの方は、契約だという意識をせずに、これらの契約をしていると思います。

契約はどうしたら成立するのか

では、どうしたら契約は成立するのでしょうか。
例えば、鮮魚店で、店員が「この新鮮なサンマ3匹300円ですよ。いかがですか。」と言ったのに対し、客が「そのサンマ3匹ください。」と言えば、これで売買契約が成立します。
この場合、法律的には、店員が「この新鮮なサンマ3匹300円ですよ。いかがですか。」と言ったことを申込みといいます。客が「そのサンマ3匹ください。」と言ったことを承諾といいます。

一般に、法律上、申込みと承諾という意思表示の合致により契約が成立すると言われています。
意思表示というのは、難しい法律用語ですが、「買いたい。」とか「売りたい。」というように意思を表示することだと思っていただければ良いと思います。
サンマを買いたいと思っているだけで契約を成立させるわけにはいきませんので、サンマを買いたいという意思を相手に表示することが必要なわけです。
そして、お互いに意思が表示されれば、契約書を作成しなくても、契約は成立するのです。

ちなみに、申込みと承諾という意思表示の合致により契約が成立するという一般論がこれまでは法律上、明確に規定されていませんでしたが、平成29年5月26日に、民法を改正する法案が国会で成立し、新しい民法には、契約が申込みと承諾により成立すること、契約の成立には原則として書面等がいらないことが明記されました(改正民法522条1項、522条2項)。

何も言わなくても契約が成立する場合

さて、契約がそのように成立するとなると、少し疑問がわいてこないでしょうか。
例えば、コンビニで飲み物や食べ物を買ったりするとき、皆さんはレジへ商品を持っていき、会計をすると思います。
これは紛れもなく売買契約なのですが、客の立場では特に何も言わずにお金を払うことが多いですね。店員は、「いらっしゃいませ。120円になります。」と言うことが多いと思いますが、無愛想な店員が何も言わなかったら、意思を表示していないことになるのでしょうか。

それでは、コンビニでは、どのようにして契約が成立するのでしょうか。
法律的には、このように考えます。
まず、コンビニが、おにぎりに120円の値札をつけて棚に陳列した時点で、「このおにぎりを120円で売ります。」という意思を店側で表示しているものと考えます。
そして、客が、そのおにぎりをレジに持って行ってお金を支払う行為が、「このおにぎりを120円で買います。」という意思を表示しているとします。
だから、レジで「売ります」、「買います」と言わなくても売買契約が成立するのです。

他にも、自動販売機を考えてみるとどうでしょうか。自動販売機は機械ですから、意思表示のしようがないように思います(しゃべる自動販売機もありますが…)。
自動販売機を設置することが「この飲み物を150円で売ります。」という意思表示になります。
これに対し、お金を入れて、欲しい飲み物のボタンを押す行為が承諾になるということでしょう。

おわりに

このように、契約というのは、契約書どころか、誰も何も言わなくても、成立する場合があります。
ただし、それは、契約と同時に現金や商品を渡す場合がほとんどです。
そのような場合は、何も言わなくても、「買いたい。」、「売りたい。」という意思があることが明らかだからです。

それ以外の場面では、やはり少なくとも口頭での意思の表示や、高額のものであれば契約書があることが多いと思います。
契約でトラブルになった場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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