民法(債権法)改正の解説5 無記名債権 民法86条3項

民法86条3項の削除

今回の改正により、無記名債権に関する民法86条3項が削除されていますので、解説したいと思います。
改正前の民法86条3項は、以下の規定でした。

無記名債権は、動産とみなす。


シンプルな規定ですが、以下において、86条3項の削除について解説していきます。

無記名債権とは

無記名債権とは、商品券やコンサートの入場券などのように証券があり、商品券.jpg
その証券に特定の権利者名が記載されず、証券の所持者が権利者と扱われる債権のことです。
鉄道の切符も無記名債権に含まれます。
無記名債権については、改正前の民法473条にも規定があり、証券的債権と言われていました。
証券的債権は、他に、改正前の民法469条~472条にも規定がありました。

他方で、取引で用いられることの多い有価証券である手形、小切手については、手形法、小切手法によって規律されており、商法などにもその他の証券について規定があって、有価証券に関する規定が必ずしも整理されていませんでした。

有価証券に関する規定の新設

今回の改正において、証券的債権についての規定を全て削除した上で、有価証券に関する通則的な規定を民法520条の2以下に設けることになりました。

そして、無記名債権に関する改正前の民法86条2項は削除され、有価証券の一つとして無記名証券に関する民法520条の10が新設されて新たな規律を受けることになりました。
改正前と取り扱いが一部変更され、より詳細な規定が設けられています。

その内容については、別途詳しくご説明したいと思いますが、無記名証券を売買などで譲渡する場合には証券の交付をしなければ効力が発生しない証券の所持人は正当な権利者と推定されるなどの規律となっています。
改正前の民法の無記名債権では、動産として取り扱われることになっていましたので、証券の交付が対抗要件となることになっていました。

経過措置について

施行日(令和2年4月1日)前に生じた無記名債権については、改正前の民法が適用されます。

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