固有必要的共同訴訟

固有必要的共同訴訟とは共同訴訟のうち通常共同訴訟を除いた必要的共同訴訟の一つで、最初から最後まで共同訴訟とすることが法律上強制される場合のことです。

数人が共同してはじめて当事者適格が認められる訴訟と言われます。

民事訴訟法においては、固有必要的共同訴訟が明文化されているわけではありませんが、種々の法律で共同訴訟とすべきことが規定されている場合があり、固有必要的共同訴訟という概念が認められています。

固有必要的共同訴訟とされているものは、いくつかの類型に分けられています。
①他人の権利の変動が生じる形成の訴えの場合
 例えば、第三者が婚姻無効の訴え、婚姻取消の訴えを提起する場合、その夫婦を共同被告とする必要があり(人事訴訟法12条2項)、固有必要的共同訴訟となります。
②数人が共同して管理処分する財産に関する訴訟の場合
 例えば、複数の破産管財人が就任している場合の破産財団に関する訴訟(破産法76条)は、固有必要的共同訴訟です。
③共有(共同所有)関係自体が訴訟物になる場合
 例えば、共有関係自体の確認請求、共有地についての境界確定訴訟は、固有必要的共同訴訟です。
 これに対し、賃借人が賃貸人の共同相続人に対して賃借権確認の訴えを提起する場合、共有者が不法占有者に対して妨害被排除請求の訴えを提起する場合、共有者が不法な登記の抹消登記請求訴訟を提起する場合は、固有必要的共同訴訟ではなく、個別の訴訟提起が可能というのが判例です。

固有必要的共同訴訟の場合、その審理について、通常共同訴訟とは異なるところがあります。
まず、最初から共同訴訟として提起しない限り、訴えが不適法として却下されます。
また、共同訴訟人の1人の訴訟行為は、全員にとって有利なものは全員に効力が生じますが、不利なものは全員が揃ってしない限り効力が全く生じません(民事訴訟法40条1項)。これにより、自白請求の放棄請求の認諾は、共同訴訟人全員が行わなければ効力が発生しません。共同訴訟人が訴えを取り下げるときは、共同訴訟人全員が共同で訴えの取下げをする必要があります。
これに対し、共同訴訟人の相手方の訴訟行為は、1人に対してなされたものでも、共同訴訟人全員に対して効力が発生します(民事訴訟法40条2項)。
それから、共同訴訟人の1人について、手続の中断・中止の原因があるときは、共同訴訟人全員について訴訟の進行が停止されます(民事訴訟法40条3項)。
そして、共同訴訟人を別々の訴訟に分けるような弁論の分離は認められません。
さらに、共同訴訟人の1人が控訴、上告をすれば、共同訴訟人全員について判決は確定せず、共同訴訟全員が控訴人、上告人になるのが原則です。ただし、必要的共同訴訟である住民訴訟において、上訴をしなかった者は上訴人にならないとした判決があります。

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