侮辱罪

侮辱罪とは、事実を摘示せずに公然と人を侮辱する犯罪です。侮辱.jpg
侮辱罪は、刑法231条に規定されています。
侮辱罪の刑事罰は、拘留または科料です。

侮辱罪は、名誉毀損罪と同様に、人の社会的評価(外部的名誉)を保護するためのものと解されます(通説)。
公然と侮辱することが要件となっていることから、社会的評価を侵害する行為を処罰対象としていると解することができます。

これに対し、侮辱罪は、本人の自分に対する主観的な価値意識(名誉感情)とする説もありますが、少数説です。
この少数説は、自己に対する主観的な価値意識を持ち得ない法人に対しては、侮辱罪が成立することはないとします。
これに対し、通説は、法人に対する侮辱罪の成立を認めます。
通説は、侮辱を感じない幼児に対する侮辱行為についても侮辱罪の成立を認めます。

判例は、基本的に通説と同様に人の社会的評価が侮辱罪の保護法益としており、最高裁決定昭和58年11月1日は、法人に対する侮辱罪の成立を認めています。
この最高裁の事案は、保険会社とその顧問弁護士を侮辱するビラを保険会社のあるビルに貼ったものです。

名誉毀損罪は、具体的事実の摘示があるのに対し、侮辱罪は、具体的事実の摘示がないという点が異なります。
具体的事実の摘示がある具体例としては、「○○氏は不倫している。」と言うことであり、名誉毀損罪になり得ます。
具体的事実の摘示がない具体例は、「○○氏は、悪徳弁護士だ。」とだけ述べる場合であり、侮辱罪になり得ます。
悪徳弁護士であることの根拠として、弁護士費用数百万円請求されたなどの具体的な事実も合わせて述べられれば、名誉毀損罪になると思われます。
名誉毀損罪は、原則として事実が真実でも成立します。

侮辱とは、人に対する軽蔑の表示です。
あくまで価値判断の表示ですので、具体的な事実の摘示がある名誉毀損罪より、社会的評価への侵害の程度が小さいため、刑事罰の程度も名誉毀損罪(3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金)に比べて軽いです。

また、人の身体的欠陥を指摘して嘲笑する場合、基本的には侮辱罪が成立すると解されています。

公然と侮辱行為が行われた時点で、侮辱罪が成立します。
侮辱行為の結果、その被害者の社会的評価が実際に低下したことは問いません。

公然とは、不特定または多数の人が認識しうる状態のことです。
したがって、被害者1人しかいないところで、侮辱行為をしても、侮辱罪は成立しません。
ただし、侮辱罪は成立しなくても、被害者から慰謝料の請求が認められることはあると思われます。

侮辱罪の刑事罰が、拘留または科料のため、侮辱罪についての教唆犯、幇助犯は処罰されません(刑法64条)。

本罪は、親告罪です(刑法232条1項)。
したがって、被害者などによる告訴がないと、起訴されることがありません。
告訴をすることができる者が天皇、皇后などの場合には、内閣総理大臣が代わって告訴をします。
告訴をすることができる者が、外国の君主または大統領のときにはその国の代表者が代わって告訴をします(以上、刑法232条2項)。

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