(旧)準強姦罪

(旧)準強姦罪とは、女子の心神喪失・抗拒不能に乗じ、または心神喪失・抗拒不能にさせて、姦淫した者に成立する犯罪です。

(旧)準強姦罪は、旧刑法178条2項において規定されていましたが、平成29年の刑法一部改正により、準強制性交等罪に名称が変わり、内容も変更されました。

ただ、刑法一部改正が施行された平成29年7月13日より前の行為については、(旧)準強姦罪が適用されます。
以下においては、(旧)準強姦罪についての説明になります。

(旧)準強姦罪の刑事罰は、(旧)強姦罪と同じであり、3年以上の有期懲役(20年以下)です。

(旧)準強姦罪は、心神喪失・抗拒不能に乗じ、または心神喪失・抗拒不能にさせることが問題になる点で、準強制わいせつ罪と同様です。

心神喪失とは、精神障害や意識障害などにより、自己に対する姦淫行為について正常な判断ができない状態と解釈されています。
6~7歳程度の知能しか有しない25歳の女性が精神障害で心神喪失にあったと判断された事例があります(東京高裁判決昭和58年6月8日)。
また、意識障害については、泥酔状態にある場合が該当します。
心神喪失について、刑法39条1項で責任能力が無い者として、心神喪失者という言葉が使用されていますが、責任能力の心神喪失と準強姦罪の心神喪失とは内容が異なると考えられています。
責任能力は、自己の行為の違法性を認識する能力、認識に従って行動する能力が無いことが問題になりますが、準強姦罪の場合は、自己に対する姦淫行為について正常な判断ができないことが問題になります。

抗拒不能とは、自己に対する姦淫行為に対し、物理的・心理的に抵抗できない・抵抗するのが著しく困難な状態のことです。
裁判例で、深夜に夢うつつの女性が侵入してきた他人を情夫と間違えているのに乗じて姦淫した事案について、準強姦罪の成立を認めたものがあります(仙台高裁判決昭和32年4月18日)。
また、医師がその医師を信頼している女性患者に対し、陰部に薬を挿入すると偽って、目を閉じさせるなどした上で、姦淫した事案で、準強姦罪の成立を認めた裁判例もあります(大審院判決大正15年6月25日)。
これに対し、通りがかりの女性に声をかけ、喫茶店に行って、自分は霊感による治療ができると言い、そのままラブホテルで自分と性交をすることが霊感治療に必要と女性に申し向けて、姦淫行為を行った事案について、抗拒不能とまではいえないとし、無罪とした裁判例もあります(東京地裁判決昭和58年3月1日)。この事例では、被告人の言動が不自然で、いかにも怪しいものであること等から、被害者が抵抗できない状態にあったとまでは認められないと判断されたようです。医師が信頼している女性をだました事案と、通りがかりで声を掛け、いかにも怪しげな霊感治療を持ち出した事案とでは異なる扱いがされたものと考えられます。

実行行為としては、既に心神喪失・抗拒不能の状態にあるのを利用する場合、自らの行為で心神喪失・抗拒不能の状態を作り出した場合の両方とも本罪が成立します。

姦淫とは、男性生殖器を女性生殖器に挿入することをいいます。

(旧)準強姦罪は、未遂犯も処罰されます(刑法179条)。

(旧)準強姦罪は、未遂も含め、親告罪とされていました(旧刑法180条)。これにより、被害者などの告訴がなければ起訴できませんでした。
しかし、刑法一部改正施行前の行為であっても、施行時に既に法律上告訴されることがなくなっているものを除き、施行後は告訴がなくても公訴を提起できることになりました。

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