あへん煙吸食器具輸入等罪とは
あへん煙吸食器具輸入等罪とは、あへん煙を吸引・摂食する
ための器具を輸入・製造・販売・販売目的の所持をすることで成立する犯罪です。
あへん煙吸食器具輸入等罪は、刑法137条において規定されています。
あへん煙吸食器具輸入等罪の刑罰としては、3月以上5年以下の懲役に処せられます。
この犯罪は、薬物犯罪のうち、刑法で規定されているあへん煙に関する罪の一つです。
刑法上、あへんをそのまま吸って使用できる段階まで精製されたあへん煙(あへん煙膏)が処罰の対象となっています。
あへん煙の前段階の生あへんの販売などは、あへん法において処罰の対象となっています。
あへん煙を吸食する器具
あへん煙吸食器具輸入等罪に規定されている、あへん煙とは、けしの液汁を凝固させたもの(生あへん)を吸引に適するように加工・精製したあへん煙膏のことです。
そのあへん煙膏を吸引・摂食(あわせて「吸食」と刑法137条で規定されてます。)するための器具が、本罪の客体です。
例えば、あへん煙を吸うために使用される煙管(キセル)です。
輸入・製造・販売・販売目的の所持
あへん煙吸食器具輸入等罪の実行行為は、あへん煙を吸引・摂食する器具の輸入・製造・販売・販売目的の所持です。
輸入は、国外から国内に搬入することを意味します。
細かな点では、日本の領海・領空に入った時点か、船舶での輸送の場合は陸揚げ、航空機による輸送の場合は荷下ろしのなされた時点かというについて、学説で争いがあります。
判例は、陸揚げ(荷下ろし)があった時点と解しています。
製造は、あへん煙を吸食する器具を作ることです。
本罪の客体は、あへん煙を吸食する器具ですので、その前段階の生あへんを作ること自体は含まれません。
販売は、反復する意思のもとに有償で譲り渡すことです。
所持とは、事実上の支配化に置くことです。
販売目的の所持であることが必要です。
自分で使用する目的の所持は、本罪の対象ではありません。
あへん煙吸食器具輸入等罪は、未遂も処罰される旨規定されています(刑法141条)。