通貨偽造等準備罪

通貨偽造等準備罪とは、貨幣・紙幣・銀行券の偽造・変造の用に供する目的で、器械・原料を準備した者に成立する犯罪です。

通貨偽造等準備罪は、刑法153条に規定されています。
通貨偽造等準備罪の刑事罰は、3月以上5年以下の懲役とされています。

この犯罪は、一般的に、強盗予備罪や殺人予備罪などの予備罪の1つと考えられています。
予備罪とは、未遂犯より前段階の準備行為を犯罪とするものです。
ただし、通貨偽造等準備罪は、2年以下の懲役である殺人予備罪より重い刑罰が科されます。
また、予備罪との記載はなく、準備との記載になっています。
以上のような点から、通貨偽造等準備罪は、通常の予備罪とは異なると解されています。

まず、通常の予備罪は犯罪の実行に着手する前段階における準備行為一般が含まれますが、通貨偽造等準備罪は条文上、器械・原料の準備行為に限定されています。
器械とは、偽造・変造の用に供することができる器械を広く含み、偽造・変造に直接必要な器械でなくても構わないと考えられています。
原料とは、インクや用紙、金属などの材料のことです。
準備とは、器械・原料を用意し、偽造変造を容易にする行為のことです。例えば、器械の入手や原料の購入などです。

それから、条文上、貨幣・紙幣・銀行券の偽造・変造の用に供する目的が必要とされているところ、自己が偽造・変造をする目的がある場合を含むことは争いありません。
ただ、他人が偽造・変造をするのを手伝う目的の場合も、含むかについて争いがあります。
自己が偽造・変造する目的の場合しか、本罪が成立しないとする見解は、予備罪が一般に自己のための予備行為だけを対象とし、自己予備罪と言われることが根拠になると思われます。強盗予備罪は、自己が強盗をする準備行為だけが犯罪となります。
これに対し、本罪は、準備と規定されて、予備と規定されていないこと等から、一般的な予備罪より広く処罰する趣旨、つまり、他人が偽造・変造するのを手助けするための準備も含むと解するのが多数の見解です。また、古い判例も同様の結論をとっています。

さらに、行使の目的を有していることも必要であるかについて、問題となっています。
条文上は、行使の目的を要する記載はありませんが、自らまたは他人が行使する目的が必要と解するのが学説の多数の見解です。

例えば、自ら日本の通貨の偽造を企て、原料や器械を準備したことで、通貨偽造等準備罪が成立した後、実際に通貨を偽造した場合には、通貨偽造罪も成立し、通貨偽造等準備罪は通貨偽造罪に吸収され、結果、通貨偽造罪一罪が成立することになります。

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