恐喝罪

恐喝罪とは、人に恐怖心を生じさせて財物を取得した場合に成立する犯罪です。スケバン

刑法249条に規定があります。
恐喝罪を犯した場合の刑罰は、10年以下の懲役です。罰金刑はありません。

恐喝罪になる例としては、いわゆるカツアゲです。カツアゲの「カツ」は恐喝の「喝」が語源のようです。
チンピラや不良が数人で「ボコボコにされたくなければ、金を出せ」などと脅してお金を巻き上げた場合が典型的なカツアゲだと思いますが、恐喝罪にあたります。
裁判で、恐喝罪が認められた事例としては、祈祷の依頼を受けた者が「あんたのお母さんには外道がついている。その外道を神様に頼んでとってあげる。そのかわり10万円出せ、出さぬとお前の母の命が危ない」などと言って金銭を支払わせたというものがあります。
他にも、企業に対して違法な談合をしていることを刑事告訴する等と記載した書面を送付して1億円を受け取った行為について恐喝罪が認められています。

恐喝罪の実行行為は、暴行または脅迫とされています。
この点、強盗罪も暴行または脅迫を用いた場合に成立すると規定されています(刑法236条1項)。
したがって、恐喝罪も強盗罪も、暴行・脅迫によって財物を取る犯罪という意味では同じです。
その違いは、暴行・脅迫の程度です。強度な暴行・脅迫の場合に強盗罪が成立し、それより弱い程度の場合に恐喝罪となります。
両者の境界線については、被害者抵抗することが著しく困難になる場合が強盗罪で、そこまでではない場合が恐喝罪と考えるのが一般的です。

また、財物ではなく財産上の利益を恐喝した場合には、恐喝利得罪(刑法249条2項)になります。
財産上の利益を取得した場合の具体例としては、脅して借金を棒引きさせた場合や、脅して飲食代の請求を断念させた場合です。

恐喝罪について学説で問題とされている論点として、お金を貸している者が借りている者に対して脅して返済させた場合に恐喝罪が成立するかという問題があります。
①原則として恐喝罪が成立するとする恐喝罪成立説、②何も犯罪にならないとする犯罪不成立説、③恐喝罪は成立しないが脅迫罪は成立するとする脅迫罪成立説があります。
最高裁判例は、権利の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪が成立することがあると判示しました。
どのような場合に権利の範囲程度を逸脱したときに該当するかの判断は難しいですが、通常恐喝罪が成立する場合には、それが権利行使であっても原則として恐喝罪の成立を認めていると思われます。

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