管轄

管轄とは、特定の訴訟事件について、どの裁判所が裁判権を行使するかについての定めのことです。

管轄については、主として民事訴訟法に規定されていますが、他の法律、例えば裁判所法などにも規定があります。

管轄の種類については、その分類方法がいくつかあります。
まず、管轄権の発生事由からの分類があります。
具体的には、法定管轄、指定管轄、合意管轄、応訴管轄に分けられます。
・法定管轄とは、法律の規定によって具体的に定められた管轄のことです。
・指定管轄とは、具体的事件について裁判すべき裁判所がはっきりせず、管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときに、関係のある裁判所に共通の直近上級裁判所が、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める場合の管轄のことです(民事訴訟法10条)。このような裁判所の決定を管轄の指定といいます。
・合意管轄とは、当事者の合意により、法定管轄と異なる管轄を定めることです。民事訴訟法11条1項により、第一審に限って合意管轄が認められています。また、合意管轄は、一定の法律関係に基づく訴えについてのみ認められているものであり(民事訴訟法11条2項)、特定の契約のなかで「本契約に関連する紛争は東京地方裁判所を管轄とする。」という定めは有効ですが、将来の全ての紛争の管轄を決めてしまうことは当事者が限定されていてもできません。
 合意管轄のなかに、専属的合意管轄と付加的合意管轄があります。付加的合意管轄は法定管轄以外の管轄裁判所を追加するものであり、管轄が認められるもののどこで訴えを起こしても構わないもののことです。専属的合意管轄とは、当事者の合意した管轄裁判所のみに管轄を認め、その他の管轄を排除することです。ただし、民事訴訟法17条は、専属的合意管轄がある場合でも、当事者間の衡平を図るなどの理由で別の裁判所に移送できることが規定されています。
 ・応訴管轄とは、被告の応訴によって生じる管轄のことです(民事訴訟法12条)。つまり、原告が管轄のない裁判所に裁判を起こしても、被告が管轄違いの抗弁を提出しないで、原告の請求内容に関する答弁書を提出して応訴すれば、その裁判所に管轄が認められることになります。これは、合意管轄と同様、当事者の意思を尊重したものです。ただし、専属管轄の場合には、応訴管轄は認められません。

次に、管轄の拘束力に関し、専属管轄と任意管轄に分けられます。
・専属管轄とは、当事者の意思によって別の管轄を生じさせることを許さない法定管轄のことです。つまり、合意管轄や応訴管轄が認められないということです。後述の職分管轄は、専属管轄です。また、事物管轄や土地管轄は、法律上、専属とする旨の規定がある場合は専属管轄になります。
・任意管轄とは、当事者の意思によって別の管轄を生じさせることができる法定管轄のことですので、合意管轄や応訴管轄で法定管轄とは別の管轄にすることができるということです。

また、法定管轄のなかで、その分担の基準の違いにより、職分管轄、事物管轄、土地管轄に分類されます。
・職分管轄とは、裁判権の作用で分けるものであり、判決手続は受訴裁判所、民事執行手続は執行裁判所という分担のことです。どの裁判所が第一審裁判所となり、どの裁判所に上訴できるかという審級管轄は職分管轄に含まれます。
・事物管轄とは、第一審裁判所が簡易裁判所か地方裁判所かに関するものです。裁判所法33条1項1号、24条1項において、訴訟の目的の価額が140万円以下の請求は簡易裁判所で、140万円を超える請求の場合は地方裁判所とされています。
・土地管轄とは、所在地が異なる同種の裁判所のなかでの分担のことです。一般に、管轄という場合、この土地管轄を指す場合が多いと思います。例えば、横浜市に住所がある人が、福岡市に住む人を相手に裁判を起こす場合に、横浜地裁か、福岡地裁か、どちらの裁判所に裁判を起こすかという問題です。実務的にも、できれば自宅近くで裁判を起こしたいと思うのが普通ですので、問題になることが多いです。

仮に、管轄のない裁判所に訴えが起こされた場合、それが専属管轄違反のときには訴えが受理されないのが通常です。専属管轄ではなく訴えは受理されたものの、被告が応訴せずに管轄違いの抗弁が出されたときには、通常は移送されます(民事訴訟法16条1項)。また、職権で移送されることもあります(民事訴訟法16条1項)。

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