自白(民事訴訟)

自白とは、裁判の当事者が口頭弁論または争点整理手続において行う事実に関する陳述のうち、相手方による事実の主張と一致し、その事実にもとづく法律効果が当事者にとって不利な訴訟行為のことです。

民事訴訟法179条において、「裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は、証明することを要しない。」と規定されています。
裁判外の自白(口頭弁論または争点整理手続外でなされた自白のこと)というものもありますが、これは民事訴訟法179条の「自白」ではないため、事実認定の資料として扱われるだけです。

自白の要件は、以下の3点です。
①口頭弁論または争点整理手続における弁論としての陳述であること。
②相手方の主張と一致した内容の陳述であること。
③その事実にもとづく法律効果が自己に不利益な事実についての陳述であること。
このうち、③に関して、「不利益」をどのような基準で判断するかが問題とされています。
証明責任説といわれる学説が通説と言われており、相手方が証明責任を負うか否かという基準で判断します。つまり、相手方が証明責任を負う事実が「不利益」な事実になります。その根拠としては、基準が一義的に明らかだとされています。
これに対し、敗訴可能性説という説があり、この説は自白当事者の敗訴につながる可能性のあるか否かという基準で「不利益」かどうかを判断します。この説に対しては基準があいまいだという批判があります。
また、先行自白(自白当事者の陳述が先行し、その後に相手方がこれを自己に有利に援用する場合)も自白に該当すると言われています。

自白の効果については、民事訴訟法179条で「証明することを要しない」と規定されていることの具体的内容がまず問題となります。
この点について、以下の2つの内容を意味するものとされています。
①当該事実について立証責任を負う当事者は、立証責任を免除される。
②裁判所は自白された事実を判断の基礎としなければならず、証拠調べが不要となる(審判排除効)。
この②の自白の効果は、弁論主義の第2テーゼの内容になっています。
加えて、民事訴訟法179条には規定されていませんが、自白した当事者は、原則として自白を撤回することができないという不可撤回性も自白の効果として認められています。
この点、例外的に自白を撤回できる場合として、①相手方の同意がある場合、②自白が相手方または第三者による刑事上罰すべき行為によって行われた場合(民事訴訟法338条1項5号参照)、③自白の内容が真実に反し(反真実)、かつ、自白が錯誤によってなされた場合(判例は、反真実が証明されると錯誤の存在が推定されると判示しています)が挙げられています。

自白の対象となる事実が何であるかという点も議論されています。
まず、主要事実が自白の対象になることについては争いがありません。自白は、その根拠が弁論主義(第2テーゼ)に求められることから、その対象も、権利関係を直接に基礎づける主要事実に限定されるのが原則とされています。
間接事実・補助事実については、争いがあります。
判例通説は、間接事実・補助事実には、自白が成立しないものとしています(裁判所は拘束されないということです)。
その根拠として、自白制度の趣旨が弁論主義にもとづくことや、間接事実や補助事実について裁判所が拘束されることを認めると、自由心証主義(民事訴訟法247条)に違反することを挙げています。
これに対し、裁判所は拘束しないが、自白当事者を拘束するという説や、裁判所に対する拘束力を認めるが、裁判所が別の間接事実に基づいて主要事実について逆の判断をすることが許されるとする説があります。
また、経験則(経験から帰納された事物に関する知識や法則)については、自白は成立しないというのが通説的見解です。根拠として自由心証主義が挙げられます。
さらに、裁判所に顕著な事実(民事訴訟法179条)は、証明の対象にならないのだから、自白の対象として扱うのは背理とするのが通説です(自白の成立を肯定する少数説があります)。 

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