立証責任(証明責任)

立証責任とは、主要事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められない一方当事者の不利益ないし危険のことです。証明責任、挙証責任とも言います。

簡略に言えば、裁判で、自己に有利な事実を立証できなければ敗訴判決が出されてしまうことです。
立証責任は、刑事裁判でも問題になりますが、刑事裁判では「疑わしきは被告人の利益に」の原則(「疑わしきは罰せず」の原則)により立証責任は専ら検察官にあるとされており、あまり問題にならないため、以下においては民事裁判での立証責任について述べます。

立証責任の法的根拠については、民事訴訟法に明確な規定はありません。
主要事実の存否が確定しない場合、その事実を要件とする法律効果の発生の有無もまた判断できないことになりますが、裁判所は事実の真偽不明を理由に裁判を拒絶することは許されないから、これを可能とする法技術として認められていると言われています。

立証責任の具体的内容としては、以下のように言われています。
・口頭弁論終結時において、裁判官が証拠を自由に評価してもなお主要事実の存否につき確信を抱くことができない場合にはじめて機能します(自由心証の働きの尽きたところから立証責任の役割がはじまると言われます)。
・主要事実を対象とすれば足り、間接事実、補助事実、経験則等について問題になりません(真偽不明の場合に法律適用の可否の判断を可能にするものであるからと言われます)。
・必ず当事者の一方のみが負担するものです。
・立証責任をいずれの当事者に負担させるかは、あらかじめ定まっており、途中で当事者の一方から他方へ移ることはありません。

立証責任は、弁論主義と相まって、当事者の主張立証活動や裁判所の訴訟指揮の指標として、訴訟の全過程を通じて重要な機能を営んでいると言われます。
当事者の訴訟活動の指標について、立証責任から派生した用語として、以下のようなものがあります。
 ・主観的証明(立証)責任
  自己が証明責任を負う事実について有利な法律効果が認められないい不利益を免れるため、その事実を証明しなければならない負担・行為責任のことです。これを証拠提出責任とも言います。
  つまり、立証責任それ自体は、あくまで立証を尽くした後に裁判所が判決をする際の問題ですが、それ以前に、どちらの当事者が立証活動を行わなければならないかを表したものが主観的証明(立証)責任です。
  立証責任が弁論主義を介して立証レベルで投影されたものと言われます。
 ・主張責任
  自己が立証責任を負う事実について、自己に有利な法律効果を判断してもらうため、その事実を主張しなければならない負担・行為責任のことです。
  立証責任が弁論主義のプリズムを介して主張レベルで投影されたものと言われています。
 ・本証
  立証責任を負う当事者が提出する証拠・立証活動のことです。
  主要事実の存在について裁判官に確信を抱かせることが必要です。
 ・反証
  証明責任を負わない当事者が提出する証拠・立証活動のことです。
  裁判官の心証を動揺させ、真偽不明の状態に持ち込めば足り、不存在を立証する必要はないとされます。
裁判所の訴訟指揮の指標について
 ・裁判所は、各当事者に対し、必要にして十分な主張立証活動を行うことができるよう適切な訴訟指揮をしなければならないと考えられています。
 ・裁判所が当事者の主張立証を整理するには、立証責任の所在を正確に把握することが必要であると言われています。

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