訴訟物

訴訟物とは、民事裁判において、裁判の対象になっている法的な権利(法律関係)のことです。

同じような法的概念として、訴訟上の請求といわれるものがありますが、訴訟上の請求は、訴訟物を原告が裁判で主張したもののことをいいます。これに対し、訴訟物は原告が請求している権利そのもののことを指しています。

裁判実務において、訴訟物という言葉が用いられる場合として、原告が提出する訴状のなかで、「訴訟物の価額」を記載するということがあります。
これは、訴訟物の金額(経済的価値)のことで、例えば1000万円の損害賠償を請求する場合には、「訴訟物の価額」は1000万円になります。
また、土地の所有権の確認を求める訴えでは、訴訟物は土地の所有権になりますので、「訴訟物の価額」は土地の時価ということになり、具体的金額は固定資産評価証明書に記載された金額になります。そのような意味で厳密な時価ではありません。それから、平成6年以降、土地については固定資産評価証明書の2分の1の金額が「訴訟物の価額」になるという取扱いになっています。

また、民事訴訟法の学説上の大きな争いとして、訴訟物の法的構成について、旧訴訟物理論と新訴訟物理論の大きく2つの学説による争いがあり、民事訴訟全体の理解に大きく影響を及ぼす争いとなっています。
裁判実務は、旧訴訟物理論を前提としています。
旧訴訟物理論は、訴訟物は実体法上の個別具体的な権利(法律関係)そのものであり、その特定識別と訴訟物の個数、異同は、実体法上の個々の権利が基準になるとする考え方です。
これに対し、新訴訟物理論は、特に給付の訴えについて、相手方から一定の給付を求めうる法律上の地位(受給権)が訴訟物である等とする考え方です。

両説の違いについては、例えば、医師の手術ミスにより患者が死亡したという医療過誤訴訟のように、債務不履行に基づく損害賠償請求権と不法行為に基づく損害賠償請求権とが競合して認められるような場合、旧訴訟物理論だと、両請求権の訴訟物は異なることになり、2つの訴訟物があることになります。
これに対し、新訴訟物理論では、原告が債務不履行も不法行為も両方主張していたとしても、訴訟物は1つとみることになります。

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