信用毀損罪

信用毀損罪とは、虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて、人の噂.jpg
信用を毀損する犯罪です。
信用毀損罪は、刑法233条前段に規定されています。
信用毀損罪の刑事罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

本罪は、信用を保護するためのものです。
信用は、一般的意味として、「それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。」(デジタル大辞泉)とされています。
信用毀損罪の信用とは、人の経済的な側面での信用のことです。
一般的な意味での信頼、社会的評価については、名誉毀損罪で刑法上の保護が図られています。
そして、名誉毀損罪は、原則として真実の摘示でも処罰されますが、信用毀損罪は虚偽の風説の流布か偽計によらなければ成立しませんので、真実を流布した結果として信用が毀損されたとしても処罰されないことになります。
つまり、信用は、名誉より刑法上の保護が薄いということになります。

信用の具体的意味について、古い判例において、人の支払能力または支払意思に関する社会的信頼というように限定的に解釈していました。
ところが、最高裁判決平成15年3月11日が、「信用毀損罪は、経済的な側面における人の社会的評価を保護するためのものであり、同条にいう「信用」は、人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく、販売される商品の品質に対する社会的信頼を含むと解する」と判示しました。
この最高裁判決は、本罪の信用を広く解釈するようになったものと考えられています。

本罪における「」は、自然人だけでなく法人や団体も含むものと思われます。
特に、信用毀損罪は、経済的な側面の問題ですので、会社などの法人の信用が問題になりやすいと思われます。

また、本罪の実行行為は、虚偽の風説の流布と偽計です。

虚偽の風説とは、客観的真実に反する噂や情報のことです。
噂のうち一部が虚偽であっても構わないと考えられています。
通説的見解は、上記のとおり、客観的真実に反するのが虚偽に該当するものと解していますが、少数説は行為者の認識に反することが虚偽だとします。
この学説上の争いは、通説でも行為者が真実に反することの認識がない場合には本罪の成立を認めませんので、大きな差はないように思われます。
少数説は、行為者が真実に反するという認識をもってさえいれば、客観的には真実に合致する事実の流布だとしても、本罪の成立を認めるということになると思われます。

流布とは、不特定または多数の人に伝えることです。
順次伝わった結果、不特定または多数人が知るに至ればよいと考えられています。
したがって、行為者は特定かつ少数の人に噂を伝えただけであっても、その噂が大勢に広まれば、本罪が成立することになります。

偽計とは、人をだまし、誘惑し、あるいは人の錯誤、不知を利用する違法な手段一般を意味すると解されています。

本罪の条文上は、「信用を毀損した」と規定されているところ、結果として信用が毀損したことが必要かどうかについて学説上の争いがあります。
①侵害犯説は、結果として信用が毀損したことが本罪の成立要件として必要とします。
②具体的危険犯説は、信用が毀損したということは必要ないが、信用の毀損の危険が具体的に発生したことが必要とします。
③抽象的危険犯説は、信用を毀損するおそれのある行為がなされれば、それだけで構わないとします。
なお、①侵害犯説も、実際に取引停止や倒産に追い込まれたということまで必要としているわけではありません。

 

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