被略取者収受者の身代金要求罪

被略取者収受者の身代金要求罪とは、略取・誘拐された者を身代金要求.jpg
収受した者が身代金を交付させたとき、または身代金を要求したときに成立する犯罪のことです。
被略取者収受者の身代金要求罪は、刑法227条第4項後段に規定されています。
被略取者収受者の身代金要求罪の刑事罰は、2年以上の有期(20年以下)懲役です。

本罪と似ているものとして、身代金要求罪(刑法225条の2第2項)があります。
身代金要求罪は、人を略取・誘拐した者が自ら身代金を要求した場合などに成立するのに対し、本罪は自ら略取・誘拐していない者が身代金を要求した場合などに成立する点が異なります。

通常は、最初から身代金を得ることを計画して略取・誘拐し、その上で身代金を要求する場合が多いと思われますので、その場合は、身代金目的略取・誘拐罪と身代金要求罪が両方成立します(両罪は牽連犯となります。)。
本罪は、既に他人が被害者を略取・誘拐していた場合に、略取・誘拐には全く関与していない者がその被害者を収受した上で、身代金を要求した場合に成立します。

まず、本罪は、略取・誘拐された者を収受した者だけに成立する犯罪です。
このような特別な地位・状態にある者しか犯すことがない犯罪を身分犯といいます。

収受とは、被害者を支配している状態を引き受けることです。

略取・誘拐された者を収受すること自体、被略取者収受罪営利目的収受罪、わいせつ目的収受罪、生命身体加害目的収受罪身代金目的被略取者収受罪のいずれかに該当する場合がほとんどだと思われます。
特に、本罪を犯す者は、身代金を要求する目的で被害者を受け取ることが多いでしょうから、身代金目的被略取者収受罪に該当する場合が多いと思われます。
このように収受しただけでも犯罪が成立し得るのですが、さらにその者が身代金を要求した場合にも、別途本罪が成立します。

身代金を要求することについては、「近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたとき」と刑法227条4項後段で規定されています。
安否を憂慮する者が、親子や兄弟姉妹のような近親者以外にどこまで広がるかについて学説上の争いがあります。
判例は、社長が誘拐された場合の会社幹部や、銀行員が誘拐された場合の銀行頭取についても、安否を憂慮する者に該当するものとしていますので、比較的広く認められる傾向にあります。

また、財物の交付または要求と規定されていますので、金銭その他の経済的価値のある物が対象となります。
借金を免除させる等の経済的利益は、財物には含まれないものと思われます。
また、身代金を要求をすれば、その時点で犯罪が成立しますので、実際に身代金を取得したかどうかは本罪成立に関係ありません。
また、身代金を要求するという行為をした時点で犯罪が成立することから、未遂というものが考えにくいため、未遂犯の処罰はありません。

本罪が成立する場合、身代金目的被略取者収受罪に該当することが多いと思われますが、その場合、両罪が成立し、牽連犯になるものと思われます。
この点については、包括して刑法227条4項の罪が成立するとの見解もあります。

本罪を犯した者が、被害者を安全な場所に解放したときは、政策的に刑が減軽されます(刑法228条の2)。

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