所在国外移送目的人身売買罪

所在国外移送目的人身売買罪とは、所在国外に移送する目的で、人を客船.jpg
売買した者に成立する犯罪です。
所在国外移送目的人身売買罪は、刑法226条の2第5項において規定されています。
本罪の刑事罰は、2年以上20年以下の懲役です。

所在国外移送目的人身売買罪は、人身売買の罪の1つです。
人身売買の罪については、基本的に平成17年に行われた刑法改正の際に整備されました。
それ以前は、国外移送目的人身売買罪という犯罪しか刑法上規定がありませんでした。
この国外移送目的人身売買罪が少しだけ変更されたものが本罪になります。
国外移送目的人身売買罪は、日本国から日本国外に移送する目的の場合を処罰対象としていましたが、本罪は日本に限らない被害者の所在国からその所在国外に移送する目的の場合を処罰対象として広げている点が異なっています。
国外移送目的人身売買罪と本罪の法定刑については変更されていません。

本罪は、他の人身売買の罪に比べて、重い刑事罰が科されることになっています。
それについては、身柄を国外に移すという目的により、その被害者に対する法益の侵害の程度が大きいことが想定されるからと思われます。国外に連れ出されたら戻ってくるのは困難だからです。

売買については、人身買受け罪などにおける買受けや人身売渡し罪における売渡しを合わせたものであり、いずれかに該当すれば、本罪が成立するものです。
つまり、買う側については対価を支払って人に対する不法な支配の移転を受けることであり、売る側については対価を受け取って人に対する不法な支配を移転させることです。
本罪が成立するためには、対価の支払いが既になされているかどうかは関係ありませんが、身柄の移転が必要と考えられています。

また、実際に国外に移送されたかどうかも問いません。
あくまで国外に移送する目的があれば足ります。
所在国外移送目的で人身を買い受けた後、実際に被害者を国外に移送させた場合には、本罪と共に、被略取者等所在国外移送罪が成立し、両罪は牽連犯(刑法54条1項後段)の関係になります。

本罪は、必ず売る側と買う側がいるはずですので、常に共犯が存在するものであり、いわゆる必要的共犯と言われています。

人身売買の罪については、その法的性質について学説上の争いがあります。
つまり、人身を支配し続けているかぎり犯罪が継続する継続犯とする説があります。この説は、略取罪や誘拐罪と同じ法的性質と考えます。
これに対し、人身への支配の受け渡しがされた時点で、犯罪が終了する状態犯とする説もあります。
私は、売買することが問題の本質であることからすれば、売買による人身の受け渡しによって犯罪が終了する状態犯とするのが妥当ではないかと考えます。

本罪は、未遂犯も処罰されることが刑法228条で規定されています。
売買の意思表示がされた時点で、実行の着手が認められ、結果として人身の引渡しがなされなかった場合、未遂犯となるものと思われます。

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