結婚目的略取罪、結婚目的誘拐罪

結婚目的略取罪とは、結婚目的で人を略取する犯罪です。

結婚目的誘拐罪とは、結婚目的で人を誘拐する犯罪です。

結婚目的略取罪、結婚目的誘拐罪は、いずれも刑法225条において規定されています。
結婚目的略取罪、結婚目的誘拐罪の刑事罰は、1年以上10年以下の懲役です。

結婚目的略取罪や結婚目的誘拐罪が成立するには、その犯人が結婚目的をもっていることが必要です。
結婚目的については、犯人が被害者と結婚する目的だけでなく、被害者を第三者と結婚させる目的の場合を含むと考えられています。
また、結婚の内容について、争いがあります。
それは、つまり、法律上の婚姻に限定するか、事実上の婚姻(内縁)を含むかの争いです。
少数説は、法律上の婚姻に限定します。
学説の通説は、法律上の婚姻に限らず、事実上の婚姻の目的の場合も含めるべきとします。
実際上、結婚目的がある場合は、わいせつ目的略取罪、わいせつ目的誘拐罪のわいせつ目的と重なる場合は多いと思われます。
そのような場合、結婚目的がある場合は、結婚目的略取罪・結婚目的誘拐罪が成立し、事実婚も含む結婚目的がない場合には、わいせつ目的略取罪・わいせつ目的誘拐罪が成立するものと思われます。
この点、岡山地方裁判所判決昭和43年5月6日は、結婚目的を認めるためには、通常の夫婦生活の実質をそなえることが必要とし、肉体関係の継続という一時的享楽があったに過ぎない場合は、わいせつ目的とする旨を判示しました。
この事案は、度々肉体関係を結んでいた15歳の女子中学生に虚偽の話をする等して、岡山県から福岡県へ誘拐したもので、結婚目的誘拐罪で起訴されましたが、裁判所はわいせつ目的誘拐罪を認定しました。

被害者が犯人と結婚することについて同意している場合でも、誘拐や略取が行われた場合には、本罪が成立するものと思われます。
ただし、被害者が犯人と結婚することについて同意している場合には、誘拐や略取が行われたとしても、当罰性が低いとする学説があります。
この説は、結婚することに同意している被害者が未成年の場合には、未成年者略取罪、未成年者誘拐罪で処理すれば十分としています。

略取とは、暴行・脅迫を手段として、人を生活環境から不法に離脱させて、自己・第三者の事実的・実力的支配化におくことをいいます。
誘拐とは、欺罔・誘惑を手段として、人を生活環境から不法に離脱させて、自己・第三者の事実的・実力的支配化におくことをいいます。

本罪は、未遂犯でも刑事罰が科されます(刑法228条)。

また、本罪は、親告罪です。
つまり、被害者等の告訴がないと処罰できない犯罪です。
それから、略取や誘拐をされた後、被害者が犯人と婚姻したときには、婚姻の無効または取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効力がないことになっています。
規定はありませんが、離婚した場合には、告訴は有効になるとする学説があります。

結婚目的の略取、誘拐の場合に、被害者が未成年者の場合は、結婚目的略取罪、結婚目的誘拐罪だけが成立します(本罪に未成年者略取罪、未成年者誘拐罪は吸収されます。)。

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