営利目的略取罪、営利目的誘拐罪

営利目的略取罪とは、営利目的で、人を略取する犯罪のことです。

営利目的誘拐罪とは、営利目的で、人を誘拐する犯罪のことです。

営利目的略取罪も、営利目的誘拐罪も、刑法225条に規定があります。
営利目的略取罪と営利目的誘拐罪は、その刑事罰も同じであり、いずれも1年以上10年以下の懲役です。

営利目的略取罪、営利目的誘拐罪は、いずれも犯人が営利目的を有することが必要です。
営利目的とは、一般的に、略取行為・誘拐行為により、自らが財産上の利益を得る目的、または第三者に財産上の利益を得させる目的と言われています。
この点、営利目的について、以下のような学説の争いがあります。
被害者の自由を侵害してその犠牲により得られる財産上の利益を目的とする場合に限るとする説。
②被害者を直接的に利用することによって利益を得る目的がある場合に限るとする説。
③特に限定せず、財産上の利益を得る目的の場合に営利目的を認める説。
このうち③説が通説と言われています。

例えば、人を誘拐してきて、たこ部屋で働かせて利益を得る目的がある場合に、営利目的が認められます。
最高裁決定昭和37年11月21日は、誘拐行為により第三者から報酬を受け取る目的の場合にも、本罪の営利目的に該当することを認めています。
この事例は、ストリッパーとして働かせる女性を誘拐し、その女性を引き渡すことで、報酬を得ようとしたものです。

被害者の家族などから身代金を得る目的の場合について、以前は、営利目的に含まれるかどうかの議論がありました。
東京高裁判決昭和31年9月27日が、身代金目的の場合も、営利目的に該当すると判示しました。
その後、昭和39年に、身代金目的略取罪、身代金目的誘拐罪が刑法225条の2に新設されたので、立法的に解決されました。
したがって、現在は、身代金目的は、本罪の営利目的には該当しないとするのが多数説です。

略取は、暴行・脅迫を手段として、人を生活環境から不法に離脱させて、自己・第三者の事実的・実力的支配化におくことです。
誘拐は、欺罔・誘惑を手段として、人を生活環境から不法に離脱させて、自己・第三者の事実的・実力的支配化におくことです。
略取と誘拐は、その用いる手段で分けられています。
略取と誘拐を合わせて、拐取(かいしゅ)といいます。

本罪は、未遂犯も罰しますので、誘拐に失敗した場合も未遂犯として処罰されます。
なお、誘拐には成功したが、利益を得ることには失敗した場合は、未遂犯ではなく、本罪の既遂犯として処罰されます。

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