不同意堕胎致死傷罪

不同意堕胎致死傷罪とは不同意堕胎罪を犯し、よって女子を死亡または傷害させた場合に成立する犯罪です。
不同意堕胎致死傷罪の規定は、刑法216条です。

不同意堕胎致死傷罪の刑事罰は、、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。」と規定されています。
これにより、傷害の結果が生じた場合には、不同意堕胎罪の刑罰と傷害罪の刑罰を比較し、刑罰の上限と下限の双方について重い方を刑罰とするものと思われます。
最高裁判決昭和28年4月14日は、そのような解釈を間接的に示しています。
死亡の結果が生じた場合には、不同意堕胎罪の刑罰と傷害致死罪の刑罰を比較し、刑罰の上限と下限の双方について重い方を刑罰とします。

したがって、傷害の結果が生じた場合については、不同意堕胎罪の刑罰である6月以上7年以下の懲役傷害罪の刑罰である15年以下の懲役または50万円以下の罰金を比較し、上限は重い傷害罪の15年以下の懲役とし、下限は重い不同意堕胎罪の6月以上の懲役とします。
よって、傷害の結果の場合には、6月以上15年以下の懲役になります。

死亡の結果が生じた場合については、不同意堕胎罪の刑罰である6月以上7年以下の懲役傷害致死罪の刑罰である3年以上の有期懲役(20年以下)を比較し、上限も下限も重い傷害致死罪の刑罰になります。
よって、死亡の結果が生じた場合には、3年以上の有期懲役(20年以下)となります。

本罪は、不同意堕胎罪を犯し、さらに女子を死亡または傷害させる重い結果が生じたことが要件となります。
本罪のようなものを結果的加重犯といいます。
結果的加重犯の場合に、死傷という重い結果の発生について過失が必要かどうかについて、学説上の議論があります。
多数説は、死傷の結果について予見することが不可能な場合には、責任主義(行為者を非難し得る場合でなければ刑罰を科さないという原則)の見地から、結果的加重犯の成立を認めるべきでないとし、過失または予見可能性の存在を要件とします。
これに対し、判例は、死傷の結果についての過失や予見可能性を不要とします。

不同意堕胎罪の要件については、その説明をご覧ください。

重い結果について、死亡とは、刑法上、三徴候説というが一般的にとられており、①自発呼吸の停止・②脈(心拍)の停止・③瞳孔反射機能の停止という3点から判定します。

傷害とは、人の生理機能の障害とされています。怪我を負うことが傷害です。
ただし、それだけではなく、判例上、病気を感染させること、キスマークをつけることも、傷害として認められています。
堕胎の場合には、ある程度母体に対して傷を負わせることが想定されますので、堕胎行為に伴って通常発生する程度の傷が発生した場合については、本罪の傷害にはならず、不同意堕胎罪の範囲で処罰されます。

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