追徴(刑事訴訟)

追徴とは、刑事事件において、犯罪行為によって生じ、これによって得た物または犯罪行為の報酬として得た物、もしくはこれらの者の対価として得た物について、その全部または一部を没収することができないときに、その価額の納付を強制する処分のことです。
追徴は、刑事事件の場合だけでなく、別の意味で税金の納付等の場合に用いられる用語ですが、ここでは、刑事事件の上記の意味に限定して解説します。

追徴については、刑法19条の2に規定があります。
本来没収されるべき場合にもかかわらず、その対象物が紛失してしまったり、犯人が費消してしまったり、善意の第三者が譲り受けてしまったりして、没収ができなくなってしまった場合に、金銭を支払わせるのが追徴です。
没収するかどうかは、基本的に裁判所の裁量ですので、追徴するかどうかも基本的に裁判所の裁量です。
ただし、収賄罪などの賄賂罪の場合には、没収は裁判所の裁量ではなく、必須です(刑法197条の5前段)。賄賂罪の没収ができない場合は、やはり追徴も必須とされています(刑法197条の5後段)。
賄賂の収受者が賄賂を贈賄者に返却したときは、贈賄者から没収し、没収が不可能なときは贈賄者から追徴するというのが最高裁判例です。

追徴は、没収が刑罰であるのと異なり、厳密には刑罰ではないとされています。
ただ、没収という刑罰に換わるものであることから、刑罰に準ずるものといわれています。

追徴の金額については、没収されるべき物が金銭であった場合は同額です。金銭以外の物だった場合は、その物の時価です。時価は、その犯罪行為の時点の金額と考えられています。
最高裁判決昭和43年9月25日は、加重収賄罪などで有罪になった被告人が、賄賂として土地を受け取っていたところ、事情を知らない娘にその土地を贈与したことで没収できなくなった事案で、賄賂として受け取った時点の土地の時価を追徴金額としました。
この事案では、賄賂として収受した時点では86万7510円と評価され、没収不能時(贈与時)は138万9150円と大きく値上がりしたものと評価されたことから、いつの時点の評価額とするかが問題となりました。
1審判決、2審判決は、贈与時の金額の追徴を認めましたが、最高裁がこれを覆し、賄賂収受時の金額しか認めませんでした。

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