没収

没収とは、犯罪に関連する物の所有権を奪って国庫に帰属させる刑罰のことです。
没収についての基本的規定は、刑法19条です。

よく没収が科される犯罪として、覚せい剤取締法違反などの禁止薬物の所持罪があります。
覚せい剤所持罪で有罪になるほとんどの場合、犯人が所持していた覚せい剤が警察で押収されています。
押収された覚せい剤が世の中に出回ることがないよう、覚せい剤の没収が判決で言い渡されます。
覚せい剤を犯人が所持・所有していた場合は、その覚せい剤の没収は必ず行うことが覚せい剤取締法41条の8で規定されています。

また、収賄罪などで収受された賄賂は、必ず没収されることが刑法197条の5で規定されています。
賄賂が既に使われてしまって無い場合や、酒食の接待のように没収できない場合には、追徴されます。

ただし、没収について、覚せい剤のように必ず行うことになっているのは例外的な取扱いです。
つまり、基本的には、没収を行うかどうかは、裁判所の裁量であり、没収をすることができる場合のうち、実際に没収をするかしないかは裁判所が決めることができることになっています。

没収できる物について、刑法19条で以下の物と規定されています。
① 犯罪行為を組成した物(例えば、わいせつ物頒布罪の対象となったわいせつ物)
② 犯罪行為の用に供し、または供しようとした物(例えば、殺人罪に使用した日本刀)
③ 犯罪行為によって生じ、もしくはこれによって得た物、犯罪行為の報酬として得た物(例えば、通貨偽造罪の結果として作られた偽造の紙幣や、殺人を請け負った報酬金)
④ ③の物の対価として得た物(例えば、強盗罪で入手した宝石を売って得た対価)

没収が科されるときは、常に、懲役罰金などの主刑が科されており、没収だけの有罪判決というのは存在しません。
そのような意味で、没収は、付加刑といわれます。
また、主刑が拘留または科料のみにあたる軽い犯罪の場合には、上記①の場合を除いて、没収することができません。例えば、軽犯罪法違反の罪がこれに該当します。

没収できる物に該当したとしても、その物が第三者の所有物になってしまっている場合、原則として没収できません(刑法19条2項本文)。
ただし、その第三者が没収されるべき物であることを知った上でその物を取得した場合は、没収できます(刑法19条2項但し書き)。
その場合でも、第三者に対して弁解などの機会を与えることが必要とされています(刑事手続における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法)。

それから、没収と似た言葉で、没取(ぼっしゅ)があります。没収と区別するために、「ぼっとり」と言うこともあります。
没取は、刑罰ではなく、行政庁や裁判所が物の所有権を剥奪して国庫に帰属させる処分のことです。
没取の例として、被告人が、保釈された場合に、逃亡をはかるなどして保釈が取り消されたときに保釈保証金が裁判所により没取されることがあります。
平成26年にパソコン遠隔捜査事件で冤罪を主張していた被告人が保釈保証金1000万円で保釈された後、スマートフォンを使用して別の真犯人がいるかのように装ったことが発覚して、保釈が取り消された際、600万円が没取されました。

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