事前収賄罪

事前収賄罪とは、公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受・要求・約束したときは、公務員になった場合に成立する犯罪のことです。

事前収賄罪は、刑法197条2項において規定されています。
事前収賄罪の刑事罰は、5年以下の懲役となります。

事前収賄罪の主体は、公務員になろうとする者です。
例えば、公務員として採用試験を受けているがまだ採用されていない者や、国会議員・地方公共団体の首長・地方議会の議員の立候補者が該当します。
宇都宮地裁判決平成5年10月6日は、今市市長選挙に立候補する予定であるが、まだ立候補していない者が賄賂を収受した事件において、立候補届出以前であっても事前収賄罪が成立し得ると判示しました。
現に公務員・仲裁人になっている者は、本罪の対象外です。

事前収賄罪の実行行為は、請託を受けて、賄賂を収受・要求・約束したことです。
請託は、公務員の職務に関する行為を依頼することです。
請託を受けてと言えるためには、公務員が依頼を承諾したことが必要と考えられています。

賄賂は、公務員の職務に関する不正の報酬としての利益です。
収受は、賄賂を受け取ることです。
要求は、賄賂を渡すよう要求することです。
約束は、将来賄賂の授受があることを合意することです。

事前収賄罪が成立するには、実際に公務員になったことが必要です。
したがって、市長に立候補したが、落選した場合には、本罪で処罰されません。
実際に公務員になったことが、法的性質として、構成要件要素であるか、処罰条件であるかについて、学説上の争いがあります。
処罰条件とした場合は、公務員になることの認識や予見可能性が不要であるのに対し、構成要件要素とした場合には、その予見可能性を有していたことが必要になります。

また、公務員になる前に、請託を受けて、賄賂の要求または約束を行い、公務員就任後に賄賂を収受した場合、受託収賄罪に事前収賄罪が吸収されると思われます。

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