収賄罪

収賄罪とは、公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、またはその要求・約束をした場合に成立する犯罪です。

収賄罪は、刑法197条に規定されています。
収賄罪の刑事罰は、5年以下の懲役です。

収賄罪の刑法197条から贈賄罪の刑法198条までが賄賂の罪の規定になります。
このように言われると、条文が少なそうですが、実は賄賂の罪は改正により次々と新たな罪が追加されており、刑法197条は197条の5まであります。
政治家や公務員の汚職等が大きく報道されると、その度に規制が厳しくなってはいると思います。

なぜ賄賂の罪が設けられているか、つまり賄賂の罪の保護法益が何であるかという点が学説上論じられています。
通説・判例は、公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼と考えています。
これに対し、職務の不可買収性と考える説や、職務の公正さと考える説などがあります。

公務員とは、国・地方公共団体の職員、その他法令により公務に従事する議員・委員・その他の職員のことです(刑法7条)。

賄賂とは、公務員の職務に関する不正の報酬としての利益と言われます。
具体的には、金銭、飲食の饗応、物品、不動産、金融の利益、値上がり確実な未公開株の譲渡、債務の弁済、ゴルフクラブ会員権のような財産上の利益が含まれるだけでなく、就職の斡旋や、異性間の情交(女性の性的サービス)も含まれるものと解されています。
これに対し、社交儀礼の範囲内として賄賂に該当しないと解される場合があります。
最高裁判決昭和50年4月24日は、中学校の教員が担任の生徒の父母から、5000円~1万円の贈答用小切手(ギフトチェック)を受け取った事案で、「私的な学習上、生活上の指導に対する感謝の趣旨と、被告人に対する敬慕の念に発する儀礼の趣旨に出たものではないかと思われる余地がある」と判示し、賄賂と認めませんでした。

収受とは、賄賂を受け取ることです。
要求とは、賄賂を渡すよう要求することです。相手方が賄賂の要求に応じなくても、要求した時点で犯罪が成立します。
約束とは、将来賄賂の授受があることを合意することです。約束が実際に履行されたことは必要なく、約束が成立した時点で犯罪が成立します。

賄賂の収受・要求・約束は、「職務に関し」行われたことが必要です。
つまり、公務員が、自己の職務とは一切関係ないところで、金銭を受け取ったとしても、収賄罪は成立しないということです。
判例上、「職務」の要件については、基本的に当該公務員の一般的職務権限に属すれば足り、また職務と密接に関連する行為でも足りると解されてきました。
一般的職務権限とは、実際に担当している職務に限らず、将来担当する可能性がある職務や、過去に担当していた職務も含むということです。
例えば、警察官が現在は交通課のところ、以前は暴力団担当だった場合に、暴力団事件に関連して賄賂を受け取れば、「職務に関し」という要件を原則として満たすということです。
また、職務と密接に関連する行為については、国立の音楽大学の教授が、その学生に、バイオリンの購入業者を斡旋した対価として賄賂を受け取ったことが含まれると判示された裁判例があります(東京地裁判決昭和60年4月8日)。

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