特別公務員職権濫用致死傷罪、特別公務員暴行陵虐致死傷罪

特別公務員職権濫用致死傷罪とは特別公務員職権濫用罪を犯し、よって人を死傷させた場合に成立する犯罪です。

特別公務員暴行陵虐致死傷罪とは特別公務員暴行陵虐罪を犯し、よって人を死傷させた場合に成立する犯罪です。

特別公務員職権濫用致死傷罪、特別公務員暴行陵虐致死傷罪は、いずれも刑法196条に規定されています。
特別公務員職権濫用致死傷罪の刑事罰については、傷害の結果である致傷罪の場合に6月以上15年以下の懲役であり、死亡の結果である致死罪の場合に3年以上の有期懲役(20年以下)です。
特別公務員暴行陵虐致死傷罪の刑事罰については、傷害の結果である致傷罪の場合に15年以下の懲役であり、死亡の結果である致死罪の場合に3年以上の有期懲役(20年以下)です。

特別公務員職権濫用致死傷罪は、特別公務員職権濫用罪の実行行為が行われたことにより、人の死傷という重い結果が生じたことが必要です。
特別公務員職権濫用罪の実行行為については、同罪の用語集の説明に詳しく記載されていますので、ご覧ください。
その同罪の実行行為の結果、人が死傷という事態になったことで、重い刑事罰が科されることになりますので、いわゆる結果的加重犯とされます。

死傷とは、被害者が死亡し、または傷害を負ったことです。
死亡については、刑法上、いわゆる三徴候説が一般的にとられています。
三徴候説は、自発呼吸の停止・脈(心拍)の停止・瞳孔反射機能の停止という3点から心臓の死を判定し、これを人の死とする見解です。

傷害は、人の生理機能の障害とされています。
判例上、怪我を負わせた場合だけでなく、病気を感染させること、キスマークをつけることも、傷害として認められています。

また、仮に、特別公務員職権濫用罪を犯した者が、自らの行為で被害者を死亡させることを認識していた場合には、殺人罪が成立しますので、特別公務員職権濫用致死傷罪は成立しないものと思われます。

特別公務員暴行陵虐致死傷罪も、特別公務員暴行陵虐罪の実行行為が行われたことにより、人の死傷という重い結果が生じたことが必要です。
特別公務員暴行陵虐罪の実行行為については、同罪の用語集の説明に詳しく記載されていますので、ご覧ください。
特別公務員暴行陵虐致死傷罪も、結果的加重犯です。
同罪の死傷についても、既に述べたことと同じです。

特別公務員暴行陵虐致死罪が問題になった裁判例として、最高裁決定平成11年2月17日があります。
この事案は、広島県警の警察官が、銃刀法違反と公務執行妨害罪の犯人が逃走していたところ、追いついた警察官に対し、その犯人がナイフなどを振り回して反抗したのに対し、警察官が拳銃を一発発砲し、左腕及び左腕に命中させたが、犯人はさらに反抗し、警察官が特殊警棒で応戦したが、特殊警棒を落としてしまい、犯人がさらにナイフなどを振り回してきたため、警察官は犯人の足を狙って拳銃を発砲したが、犯人の胸に命中し、死亡したという事案です。
この最高裁決定は、ナイフが比較的小型であり、犯人の抵抗は強いものの、警察官の接近を阻もうとするにとどまったことから、逮捕行為を一時中断し、他の警察官の到来を待つなど他の手段を採ることも十分可能であり、拳銃の発砲により危害を加えることが許容される状況にあったと認めることはできないと判示し、発砲は違法として、特別公務員暴行陵虐致死罪の成立を認めました。

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