特別公務員暴行陵虐罪

特別公務員暴行陵虐罪とは、①裁判・検察・警察の職務を行う者またはこれらの職務を補助する者が、その職務を行うにあたり、被告人被疑者その他の者に対して、暴行・陵辱・加虐の行為をした場合、②法令により拘禁された者を看守・護送する者が、その拘禁された者に対して、暴行・陵辱・加虐の行為をした場合に成立する犯罪のことです。

特別公務員暴行陵虐罪の規定は、刑法195条にあります。
①の犯罪が同条1項、②の犯罪が同条2項に規定されています。
特別公務員暴行陵虐罪の刑事罰は、7年以下の懲役または禁錮です。

この犯罪については、上記①、②の2種類があります。
順番に説明いたします。

①の犯罪の主体は、裁判・検察・警察の職務を行う者またはこれらの職務を補助する者です。
裁判・検察・警察の職務を行う者とは、具体的には、裁判官・検察官・警察官のうち司法警察員と言われる者のことです。
これらの職務を補助する者とは、具体的に、裁判所書記官・検察事務官・警察官のうちの司法巡査(司法警察員より下位の警察官)などのことです。
特別公務員職権濫用罪の主体と同様です。

本罪は、被告人被疑者その他の者に対して暴行等が行われたことが問題となります。
被告人とは、検察官から罪を犯したとして起訴されて、刑事裁判中の者のことです。
被疑者とは、犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっていて、まだ起訴されていない者のことです。
その他の者は、具体的には、証人、参考人、被害者などのことです。

本罪の暴行とは、暴行罪が成立する程の暴行(人の身体に対する有形力の行使)だけでなく、人の着衣を破る等の間接的な暴行も含まれると解されています。
陵辱とは、人をはずかしめることであり、加虐とは、人をいじめることですが、陵辱と加虐を合わせ陵虐として、暴行以外の方法で人に対して精神的・肉体的苦痛を与える一切の行為が含まれると考えられています。
例えば、人を裸にしたり、食事を与えなかったり、睡眠を妨害したりすることが該当すると解されています。
わいせつ行為や強姦行為も、陵虐行為に該当することについて争いがないですが、強制わいせつ罪強姦罪は本罪と別に成立するかについて争いがあり、古い裁判例(大審院判決大正4年6月1日)は本罪の成立のみを認めています。
その後、下級審判例ですが、少女に対し、所持品検査を装い、パトカー内でわいせつ行為に及んだ事案について、本罪だけでなく強制わいせつ罪の成立を認めたものもあります(大阪地裁判決平成5年3月25日)。

また、被害者が、暴行・陵虐されることについて、同意していたとしても、本罪の成立は否定されないとする判例があります(大審院判決昭和15年2月25日)。

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