特別公務員職権濫用罪

特別公務員職権濫用罪とは、裁判・検察・警察の職務を行う者、またはこれらの職務を補助する者が、その職権を濫用して、人を逮捕・監禁したときに成立する犯罪のことです。

特別公務員職権濫用罪の規定は、刑法194条にあります。
特別公務員職権濫用罪の刑事罰は、6月以上10年以下の懲役または禁錮です。

本罪の主体は、裁判・検察・警察の職務を行う者、またはこれらの職務を補助する者です。
これらの者を特別公務員ということがあります。
裁判・検察・警察の職務を行う者とは、具体的には、裁判官・検察官・司法警察員(警察官のうち公安委員会が指定する警部以上の者など)のことです。当然公務員です。
これらの職務を補助する者とは、裁判所書記官・検察事務官・司法巡査などのように、裁判官・検察官・司法警察員を補助する職務の者のことです。
裁判官・検察官・司法警察員などを補助している者であっても、公務員でない者は、これらの職務を補助する者には該当しません。

これらの特別公務員が、職権を濫用して、人を逮捕・監禁する行為が本罪の実行行為です。
前述のような裁判官・検察官・司法警察員は、刑事捜査の一環として、被疑者を逮捕などをする権限を有しており、この権限を濫用して逮捕などをした場合に本罪が成立します。
職権を濫用とは、警察官が、被疑者を逮捕することのできる権限を不当に利用して逮捕する場合や、逮捕する権限があることにかこつけて事実上の逮捕・監禁行為をするような場合が該当すると思われます。

逮捕については、人の身体を直接的に拘束して、その身体の自由を奪うことです。身体を縄で縛るような物理的方法だけでなく、銃を突きつけるような心理的な方法の場合も含むと考えられています。
監禁とは、人の身体を場所的に拘束し、一定の区画された場所から脱出できなくするまたは脱出を著しく困難にすることです。具体的には、鍵のかかった部屋に閉じ込めることなどです。

以上のように、本罪は、逮捕罪・監禁罪(刑法220条) を特別公務員が職権濫用して行った場合に、通常の逮捕罪・監禁罪より重く処罰するものです。 

実際に裁判で問題になった事例は少ないですが、警視庁の警察官が、覚せい剤所持犯をでっち上げて検挙して自分の手柄にすることを企て、後輩の警察官・知り合いの民間人と共謀し、まず知り合いの民間人が覚せい剤の密売人をしている者に対し、覚せい剤を買うように見せかけて、その者の自動車に乗り込み、その間に車内に覚せい剤を隠した後、首謀者の警察官と後輩の警察官がその密売人に職務質問をして、車内に隠してある覚せい剤を発見して現行犯逮捕し、警察署で同僚の警察官に身柄を引き渡したという事件があります(東京地裁判決平成9年10月17日)。
とんでもない警察官の不祥事ということで、当時大きく報道されました。

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