集団強姦致死傷罪

集団強姦致死傷罪とは集団強姦罪または集団強姦罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた場合に成立する犯罪です。

集団強姦致死傷罪の規定は、刑法181条3項にあります。
集団強姦致死傷罪の刑事罰は、無期または6年以上(20年以下)の懲役です。

集団強姦致死傷罪は、集団強姦罪と共に、平成16年の刑法改正の際に、新設されました。
集団強姦致死傷罪や集団強姦罪が新設されたのは、いわゆるスーパーフリー事件(スーフリ事件)がきっかけです。
スーパーフリー事件では、大学のサークル内で、組織的かつ集団的な強姦事件が多数発生したことが発覚し、世間を騒がせました。多数の逮捕者も出て、有罪判決を受けた者が14名にのぼりました。

集団強姦致死傷罪は、集団強姦罪の行為の際に、被害者が死傷する結果が発生するおそれが高いことから、そのような重い結果が発生することを防ぐために設けられた犯罪であり、結果的加重犯といわれます。

死傷とは、死亡することと傷害を負うことです。
死亡については、学説上争いがありますが、呼吸の停止・脈拍の停止・瞳孔散大の三兆候により心臓死を総合的に判断する見解が多数説です。これに対し、脳死をもって人を死とする脳死説も最近有力になっています。
傷害についても、学説上の争いがありますが、人の生理機能の障害とする見解が判例多数説と考えられています。
判例上、キスマークや病気(梅毒)の感染も人の生理機能の障害として傷害に該当することが認められています。

判例は、集団強姦致死傷罪の要件として、集団強姦罪の姦淫行為・暴行脅迫行為そのものから死傷の結果が発生した場合に限定していません。強姦の機会に死傷の結果が発生したといえる場合にも集団強姦致死傷罪の成立を認めています。
判例の考え方からは、襲われた被害者が逃げようとした際に傷害を負った場合でも、集団強姦致死傷罪の成立が認められることがあり得ます。

集団強姦致死傷罪は、結果的加重犯であることから、犯人が過失により被害者を死傷させた場合にも成立します。学説は、少なくとも犯人に過失があったことを必要とする見解が一般的ですが、判例は過失がなくても結果的加重犯の成立を認めます。
また、集団強姦の犯人が故意に被害者を死亡・傷害させた場合にも、本罪が成立するかについて、議論があります。
この点、判例は犯人に死傷の故意がある場合には、本罪の成立を認めません。集団強姦罪と殺人罪または傷害罪が成立し、観念的競合の関係に立つと解しています。
学説上は、判例の見解では、故意に傷害を負わせた場合に、かえって故意がない本罪の場合(無期または6年以上20年以下の懲役)より刑罰が軽くなる(4年以上20年以下の懲役)のはおかしいと批判し、集団強姦致死傷罪の成立を認める見解が多数説です。

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