わいせつ物頒布等罪

わいせつ物頒布等罪とは、①わいせつな文書・図画・電磁的記録にかかる記録媒体・その他の物を頒布(はんぷ)・公然陳列した者、②電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者、③有償で頒布する目的で、わいせつな文書・図画・電磁的記録にかかる記録媒体・その他の物を所持した者、④有償で頒布する目的で、わいせつな電磁的記録を保管した者に成立する犯罪のことです。

わいせつ物頒布等罪の規定は、刑法175条にあります。
わいせつ物頒布等罪の刑事罰は、2年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。

わいせつ物頒布等罪については、平成23年の刑法改正の際、内容の変更がありました。
特に、電磁的記録について規定が加えられています。
最近のインターネット、パソコンの普及に対応したものです。

本罪におけるわいせつが何を指すかについては、最高裁判例で具体的に判示されています。
わいせつとは、徒(いたず)らに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものとされました。
わいせつ性が問題になる事案について、「わいせつか、芸術か」という議論がなされることがあります。
大島渚監督の「愛のコリーダ」という映画について、本罪の成否が問題になった裁判で、1審(東京地裁判決昭和54年10月19日)、2審(東京高裁判決昭和57年6月8日)とも無罪判決が出て、確定しました。
このような「わいせつか、芸術か」ということが問題になる事案について、判例は、主として視聴者の好色的興味にうったえるものと認められるかどうかという点を重視しているものと思われます。
以上のように、わいせつに該当するかどうかは、非常に微妙な判断です。
主として視聴者の好色的興味にうったえるものであれば、例えばモザイク処理がされた画像であっても、わいせつに該当する可能性があると思います。

文書は、文字によって表示されているものです。
図画とは、写真、絵画、映画、動画など象形的方法によって表示されているもののことです。
電磁的記録にかかる記録媒体とは、パソコンのハードディスクやインターネットのサーバーなどに記録されている情報のことです。
その他の物には、彫刻物や性器の模擬物などが含まれます。

頒布は、不特定または多数の者に交付することをいいます。
改正前の規定では、頒布と販売が分けられており、頒布は無償のものをいうと考えられていましたが、販売という言葉がなくなりましたので、有償のものも頒布に含まれるものと解されます。
インターネットの利用に関し、電気通信の送信による頒布も処罰する旨規定されています。
例えば、電子メールにわいせつな画像を添付して不特定多数の者に送信する行為がこれに該当すると思われます。

公然陳列とは、不特定または多数の者が認識できる状態に置くことです。
映画を上映することは、公然陳列に該当します。

有償で頒布する目的で所持・保管した場合も処罰されます。
所持も保管も自己の支配化に置いた状態のことですが、特に電磁的記録について保管という言葉を使っているものと思われます。
有償で頒布する目的はなく、自分だけが利用する目的でわいせつ物を所持している場合は、本罪に該当しません。

それから、わいせつ物の頒布の場合、わいせつ物の交付を受ける側がいるはずですが、交付を受ける者を処罰する規定が設けられていないことから、犯罪ではないと解されています。

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