公記号不正使用罪

公記号不正使用罪とは、公務所の記号を不正に使用し、または偽造した公務所の記号を使用した場合に成立する犯罪です。

公記号不正使用罪は、刑法166条2項に規定があります。
公記号不正使用罪の刑事罰は、公記号偽造罪と同じ、3年以下の懲役です。

公務所は、刑法7条2項でその定義が規定されており、官公庁その他公務員が職務を行う所とされています。
横浜市は、公務所に該当します。
ただ、市役所の建造物が公務所なのではなく、横浜市としての組織・機関が公務所になります。

記号については、判例上、文書以外の商品や産物等に押捺される象形(文字・符号)と考えられています。
判例によれば、文書に押捺されるのが印章公印偽造罪公印不正使用罪など)ということになります。
これに対し、学説の多数の見解は、押捺される対象物は問題ではなく、表示が人間の同一性であるのが印章で、それ以外の何らかの事実を表示・証明するのが記号であると主張しています。
また、判例は、押捺された商品に表示された記号(印章でいうところの印影)だけでなく、記号を押捺するのに使用する物(印鑑)も、本罪の記号に該当すると解釈しています。

不正に使用するということは、権限がないにもかかわらず真正の記号を他人に対し使用することです。
使用するとは、他人が閲覧することができる状態にする行為のことです。
実際に他人が閲覧したかどうかは問いません。
また、判例上、検印が押されている袋に、未検査の物を入れ、検査済みのように装った場合に、本罪が認められています。
このように、真正の記号が表示されている物体を利用・処分する行為も、使用に該当すると考えられています。

偽造の記号を使用するということは、偽造の記号が表示された物品を他人が閲覧できる状態に置く行為のことです。
偽造の検印を使って、未検査の物品の袋に押捺して、検査済みのように装うことも該当すると思われます。
偽造行為は、自ら行った場合でも、第三者が行った場合でも、本罪が成立します。
また、偽造行為が、行使の目的で行われていなくても、本罪は成立します。

本罪については、未遂犯が処罰されます(刑法168条)。

なお、記号については、公記号と異なり、私記号を処罰する明確な規定はありません。 
ですが、判例は、私記号は、私印偽造罪、私印不正使用罪の対象になると判示しています。

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