有印私文書偽造罪、有印私文書変造罪

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有印私文書偽造罪とは、行使の目的で、他人の印章・署名を使用して、権利・義務・事実証明に関する文書・図画を偽造し、または偽造した他人の印章・署名を使用して、権利・義務・事実証明に関する文書・図画を偽造する犯罪です。

有印私文書変造罪とは、他人が押印・署名した権利・義務・事実証明に関する文書・図画を変造する犯罪です。

有印私文書偽造罪は、刑法159条1項で規定されており、有印私文書変造罪は、刑法159条2項で規定されています。
有印私文書偽造罪と有印私文書変造罪の刑事罰は、いずれも3月以上5年以下の懲役です。
有印公文書偽造罪有印公文書変造罪は、1年以上10年以下の懲役ですので、私文書より公文書の方が保護の必要性が高いものとして取り扱われています。

権利・義務に関する文書とは、法律上の権利・義務の発生・変更・消滅・存続の効果を発生させる文書のことです。
例えば、契約書です。

事実証明に関する文書とは、実社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書とするのが判例の考え方とされています。
判例に対しては、文書は何らかの意味で実社会生活に交渉を有するといえるから、判例の考え方では偽造罪の対象となる文書が広くなりすぎるという批判がなされています。そして、一定程度の重要性を有する文書に限定する説があります。
判例上、事実証明に関する文書と認められたものとして、郵便局への転居届、履歴書などがあります。
私立大学入試について替え玉受験が行われた事案で、試験答案が、事実証明に関する文書に該当するものとされ、有印私文書偽造罪で有罪とされました(最高裁決定平成6年11月29日)。

作成名義人が公務所・公務員の場合は、有印公文書偽造罪有印公文書変造罪が成立しますので、本罪からは除外されます。
ただし、外国の公務所・公務員名義の文書は、有印公文書偽造罪有印公文書変造罪の対象外ですので、本罪の対象になります。

印章とは、印鑑が押されたことによる印影です。押印とは、印鑑を書面に押し付け印影を顕出させることをいいます。
署名とは、自署と記名を含むとするのが判例です。

偽造とは、 作成権限のない者が他人名義の文書を作成することです。
文書の名義人が他人に対して自己の名義の使用を同意していた場合には、偽造に該当しないというのが一般的見解です。
ただし、無免許運転で捕まった者があらかじめ同意を得ていた友達の氏名を反則切符に記載した事案について、最高裁決定昭和56年4月8日は、その文書の性質上、作成名義人以外の者がこれを作成することは法令上許されないとし、名義人の同意があっても、偽造罪になると判示しました。
替え玉受験で、本人の同意を得ていた場合も、同様に偽造罪になると考えられています。 

変造とは、文書等の名義人でない者が権限なしに既に存在している真正な文書の内容を改ざんすることです。
改ざんの結果、文書が別物になってしまった場合、つまり同一性を失った場合には、変造ではなく偽造に該当すると考えられています。
ただ、偽造罪も変造罪も刑事罰は同じですので、偽造でも変造でも結論に大差ないと思われます。
変造罪の場合も、偽造罪と同様に、行使の目的が必要とされています。

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